保険に入ったことに満足してしまい、自分が加入している保険内容について明確に把握できている方は、どのくらいいるのでしょうか?
実際に将来起こりえるリスクに対して、しっかりとカバーできているのでしょうか。
日々多くの方の保険内容を見させていただきますが、残念ながらほとんどの方が加入している保険内容ではカバーができていないのが現実です。
今回ご相談を頂いたT様は、複数の保険に加入しているのですが、
- 「本当に自分自身にとって必要なのか…?」
- 「保障は足りているのか…?」
などと、ご自身が加入している保険に疑問を持ち相談を頂きました。
ご自身が加入している保険について把握ができていない方、少しでも加入している保険に不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1、医療保険に重複加入?知らずに保険料を無駄にしてない?
日本人の8割以上の方が保険に加入していますが、多くの方は商品の詳細まで把握しておらず、言われるままに加入している方が非常に多いです。
そのため、保障内容を重複して加入されているケースも多く見受けられます。
例えば医療保険の場合ですが、実は、日本は「高額療養費制度」「傷病手当金」など医療制度が設けられており、きちんと健康保険に入っていれば、カバーできる金額は意外と大きいです。
本来であれば、国の医療制度をきちんと把握した上で、自分にとって足りない保障だけ加入するのが最もコストパフォマンスを発揮できるのですが、重複した保障に保険料を支払われているケースも少なくありませんので、こちらの記事を読んだ時に自分が加入している医療保険に疑問を思われた方は、ぜひ一度見直しをしてみてください。
なお、医療保険の選び方については下記の記事を参照にしてみてください。
2、生命保険に重複加入?掛け捨てと積み立ての選び方は?
医療保険の場合は掛け捨て商品がほとんどですが、生命保険をなると掛け捨てがったり、積み立てがあったり、知らずにこっちもあっちもと重複して加入されている方も少なくありません。
下記にてご紹介する相談実例を例に挙げますと、T様は死亡保険(掛け捨て)を加入した上に、定期付終身保険(掛け捨て一部積み立て)の商品にも加入しています。分かりやすく言うと、死亡保険という観点では2つの保障に入っているということになります。
「保険金がもらえるから良いじゃん」と思われる方もいると思いますが、掛け捨ての死亡保険は言い方が悪いですが、死亡しないとその保険金をもらうことができません。積み立てではないから、満期の時に返戻金ももらえないことから保険料が安く設定しています。
定期付終身保険に加入しているにも関わらず、T様は年間60,000円で30年間加入していたら、180万の保険料を重複で支払うことになっています。
自分が加入している生命保険の保障が重複していないかと不安に感じている方は、ぜひ当サイトの専門家に相談してみてください。
また、掛け捨てにするのか、積み立てにするのかで迷われている方も多いと思うので、下記の記事を参照にしてみてください。
3、面談結果
T様は複数の生命保険に加入していて、そのうち保障内容が重なっている商品もあったため、T様に本当に必要とする保障をヒアリングをさせて頂いた結果、下記のようにご提案いたしました。
- 終身保険(積み立て)約19,000円/月
- 収入保障保険(掛け捨て)約5,000円/月
- 医療保険(掛け捨て)約2,000円/月
- 積立投資(積み立て)100,000円/月
上記の提案になった理由については、詳しく解説していきます。
4、お客様の属性
ご相談頂いたT様は下記の属性となっています。
- 職種:公務員
- 年齢:27歳
- 世帯年収:700万円
- 加入する目的:様々な保険に加入しているため、現状の保険の見直し。それから将来に向けて、保障を持ちながら、お子様の教育資金や老後費用の貯蓄に備えたい。
5、お客様の相談内容
T様は勧められるがまま生命保険へ加入してしまい、結果的に様々な種類の生命保険に加入し、保障も重複している状況でした。
また、老後資金のため個人年金保険にも加入していました。
T様が加入していた保険を以下にてまとめました。
- 死亡保険(掛け捨て):約6,000円/月
- 医療保険(掛け捨て):約3,000円/月
- 定期付終身保険(掛け捨て一部積み立て):約10,000円/月
- 個人年金保険(積み立て):約15,000円/月
現状に加入している保険に不安を感じご相談を頂いたので、まずはご自身にとって、いくらの保障が必要なのかを一緒に計算し、そのうえで老後費用にいくらの費用が掛かるのかを、現時点での理想を踏まえたうえで提案させて頂きました。
6、ご提案内容
まずは加入中の保険について分析しました。
(1)ご加入中の保険分析
①死亡保険(掛け捨て):約6,000円/月
こちらの商品は死亡・高度障害に備えたもので、万一の際に約4,000万円がおりるものとなっておりました。
保険期間は55歳までで、払込期間も同じく55歳までとなっております。
しかし、現在の日本において65歳以前に亡くなる方は約3%と言われており、つまり、こちらの商品だと保障がより必要になってくる年齢時には、保障がなくなってしまうような内容でした。
②医療保険(掛け捨て):約3,000円/月
この商品は入院の際に入院日額30,000円(4日間は免責)、通院日額15,000円の内容でした。
こちらの医療保険も保険期間が55歳までとなっていて、尚且つ入院の際には最初の4日間しか給付金が出ない商品となっておりました。
③定期付終身保険(掛け捨て一部積み立て):約10,000円/月
こちらの保険に関しましては、死亡・三大疾病になられた際300万円が給付されるもので、10年ごとの自動更新となっており、同じ保障を持とうとすると保険料が自動的に上がっていくものでした。
④個人年金保険(積み立て):約15,000円/月
こちらの商品では老後に備え、積み立てをされておりました。
60歳まで払い込んだ金額に対して、65歳から79歳までの期間で約872万円、年間で58.1万円。月で表すとわずか4.8万円しか受け取れない商品でした。
T様の理想の老後生活を送るには32万/月が必要です。これに物価上昇などを加味していくと、将来的に資産が底をつく可能性が高いと言えます。
以前もお伝えさせていただきましたが、金融商品にはそれぞれ強みがあり、保険の強みはあくまでも「保障が持てる」ということです。それぞれの強みを生かして加入することが、将来の資産に大きく影響してきますので「保障」と「貯蓄」は金融商品の強みを生かして分けていくことがより重要になってきます。
(2)生命保険の死亡保障はいくらが理想?ご提案プラン
上記の現状分析とT様の考えを基に下記の内容で提案とさせていただきました。
- ①終身保険(積み立て):約20,000円/月
- ②収入保障保険(掛け捨て):約5,000円/月
- ③医療保険(掛け捨て):2,000円/月
- ④積立投資:100,000円/月
①終身保険(積み立て):約20,000円/月について
ご加入中の保険では55歳までの保険期間となっておりましたが、「人生100年時代」と言われる中で、55歳以前に亡くなる可能性は低いと思われます。
また、定期付終身保険で55歳以降に保障を持てる状態ではありましたが、10年ごとの自動更新がある為に、定年後も保険料を払い続けなければならないリスクが非常に大きかったです。
従って、終身での保障を持ててかつ、支払期間は定年前に終わる55歳払いで提案させていただきました。
保険の一番の強みである「保障」に関しては、死亡保障に三大疾病や介護・障害の保障を付けることにより、若く、保障に対しあまり危惧をされていないT様のニーズに合わせることが可能となりました。
また、こちらの商品はドル建となっており、今までの貯蓄資産が「円」に偏っていることから、分散という観点で「ドル」を選択させていただきました。
具体的に生命保険の死亡保障いくらが理想ということですが、正直、加入される方々の家族構成によって異なりますし、年齢によっても必要とされる保障額が異なります。一概にはこの金額というのは難しいので、金額設定で迷われている方は、ぜひ一度相談してみてください。
②収入保障保険(掛け捨て):約5,000円/月
働けなくなる可能性は非常に低いとはいえ、もしなってしまった際には、周りの大切な家族に迷惑をかけ続ける可能性がより高くなります。
万一に備え、大切な家族に迷惑をかけない範囲で、国からの保障を有効に活用し、不足分だけをT様自身で準備することによって、保険料をより低く抑え、目の前の生活資金や運用資金に回すことに致しました。
③医療保険(掛け捨て):2,000円/月
今までで加入していた保険では4日間は免責となっておりました。
医療の進歩と高齢者の増加に伴い病院の数の割合が少なくなってくることから、短期入院に備え日帰り入院から保険金を給付され且つ、日額の給付金を抑え、一時金を手厚くすることで、保険料をより低く抑え、トレンドである短気入院に備えさせていただきました。
④積立投資:100,000円/月
世界平均5%を狙っていく積み立て型の投資商品になります。
生活環境の変化にも対応できるよう、途中の減額や一時停止・再開ができるものとなっております。
老後の資金だけでなくお子様の教育資金として準備することも可能です。
担当者からの一言
いかがでしたでしょうか。
今回のT様のように、異なる保険会社から複数の生命保険へ加入されている方も少なくはないと思います。またその中でも、生命保険へ加入しているが故に、「とりあえず保険には入っているから…。」と安心しきっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしながら、実際には肝心なリスク部分がカバーされていないことや、保障が重複しているケースが目立ちます。
しっかりと保障を見直し整理することによって、大切な資産を、目の前の生活費に回すことや、将来の準備の為に使うこともできますので、今一度見直されてみてはいかがでしょうか。