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3月・4月は入居者が入れ替わる時期、いわゆる「繁忙期」と言われる時期です。

この時期は卒業、入学、就職、異動など様々なイベントがあるため、新居を求めて人が動く時期です。 

安定した家賃収入を得るため、空室でも毎月家賃を得られるサブリースを選ぶオーナーさんがいます。しかし、途中で家賃の見直しが入ったり、思う通りに家賃収入を得られないケースもあります。今回はこの「サブリース契約」について詳しく説明します。 

実は、昨年12月15日にサブリース新法が改正されて、こちらの記事ではそれを踏まえてサブリース契約のメリット・デメリットについても深堀してみましょう。

賃貸管理の契約には世にも恐ろしい契約がたくさんあります。ぜひこちらの記事を参考にそのリアルな恐ろしさを知って頂き、今後の参考にして頂ければ幸いです。

1、賃貸契約のこわい話

賃貸管理には大きく分けて3種類の契約(形)があります。

  • 集金代行管理(一般的な契約)
  • サブリース管理(借り上げ契約)
  • 自主管理

それぞれのメリット・デメリットについては、以前が執筆した下記記事をご覧ください。

家賃保証(サブリース)と集金代行どちらが正解?不動産投資を15年以上経験するプロが教えるお得な選択とは?

ここではが見てきた中でもこれは酷いと感じた賃貸管理契約について話します。

(1)R社のサブリース契約

  • 契約期間10
  • 途中解約の場合、サブリース賃料6か月分の違約金
  • 解約通知をしてから12ヶ月後に解約成立

各社によって契約内容が異なりますが、例えば上記のような内容のサブリース契約を結んでしまうと、売却時に大変な目に遭います。

R社は売却されたとしても賃貸管理だけは、継承したいという気持ちが前面に出ています。

どういうことかと言うと、多くの不動産会社は良い物件であればあるほど賃貸管理をしたいのです。入居者募集をすれば仲介手数料や礼金が入り、賃貸管理中も管理手数料が入り、更新時には更新料が入ってくる。そして多くの入居者は揉めることもなく、優良物件ならクレームもありません。

賃貸管理会社にはこういった様々なメリットがある中で、R社のようなサブリース契約を結んでしまっていると、売却したい時にこの管理契約を外すことが出来ずに、買い取りたい不動産会社も買主も見つからないケースが起こります。

こちらのR社のサブリース契約は業界では、顧客を囲い込むことで有名な会社で、一度サブリース契約をしてしまうと、罠にかかったかのように解約がし辛い為、良くない契約の一例です。

(2)S社のサブリース契約

  • 契約期間35年
  • 5年後の更新で設定家賃が下がるケース多発

上記のような内容のサブリース契約は、一見長期的に保証をしてくれる良い会社といった印象を受けますが、賃料改定の理由が不明確な部分が多く、物件の立地によっては5年後に賃料が下がるケースが多発しております。

というのは、新築業者に多く見られるのですが、最初は第三者の賃貸管理業者に一棟丸ごと5年間の一括借り上げしてもらい、入居者の有無にかかわらず新築から5年は保証します。その後は一般的な賃貸をするケースも多く、その際には新築賃料では無くなる為、賃料が部屋やタイミング(繁忙期や閑散期)によっては下がる為、保証賃料自体を下げる必要が出てきます。

このようなやり方はS社だけではなく新築業者には多いので、新築業者なのに売買契約時にサブリース契約縛りがある会社には気をつけるようにしましょう

2、サブリース契約の落とし穴

昨年のサブリース新法により、こういった上記のリスクをしっかりと読み上げることが義務化されたのですが、それでもまだサブリース契約には落とし穴があります。

サブリース新法はオーナー様を守るという概念よりも、業者には説明義務を課しただけで、上記のような契約期間や解約条項にまでは言及していない為、相変わらず先ほど例として挙げた2社のようなサブリース契約書は有効になります。

またサブリースにも関わらず、入居者が退去した際の修繕費やルームクリーニング代もしっかりとオーナー様に請求する内容になっているものもあります。

賃貸管理する会社によって違いがありますので、この辺りはご契約前にしっかりと条文を見せてもらい、十分にリスクを理解し納得をしてから始めることをお薦めします。

中古物件として売却する場合を考えると、サブリース契約の状態では金融機関に提示する賃料も一般に貸し出した時よりも低いケースが多い為、金融機関からの物件評価が低くなるので、売却時に高く売ることが難しくなります。

そういった意味でも空室で仕方なくサブリース契約を結ぶことはあっても、基本的には優良物件であれば借り手は付くことが多いので、最初からサブリース契約を選ぶ必要性があるかどうかを見極める必要があります。

3、入居者募集の際のテクニック

まず一番重要なことは空室が起こりにくい優良物件を買うことです。

では優良物件とはどんな物件でしょうか。

優良物件の条件

  1. 江戸川区・葛飾区・足立区・荒川区を省く23区内、または川崎駅・横浜駅
  2. 2路線以上使える駅徒歩10分以内
  3. 風呂トイレが別
  4. オートロック、宅配ボックス、エアコン、ネット環境などの設備が完備された物件
  5. 大規模修繕が行われたばかりの中古物件
  6. 修繕積立金が異様に安い物件(1,000円台は微妙)
  7. 周辺の家賃相場から乖離していない賃料の物件

こういった項目に該当する優良物件であれば、まず空室になっても数か月空室になるといったリスクは少ないと言えます。 

では万が一空室になった場合はどうすれば良いのでしょうか。 

賃貸管理会社に任せるというのが通常の手段ではありますが、ただ任せるだけだとなかなか申し込みが入らない可能性もあります。ここでは任せる際のテクニックを少しだけお話します。

ポイントは、 

  • 家賃設定
  • 敷金・礼金設定
  • 募集の際の広告料

です。

まず賃料に関しては、周辺の家賃相場を調べます。

調べ方は色々ありますが、駅ごとの相場を調べるのであればハトマークの賃貸相場検索サイトがおススメです。

駅名・マンション・オートロック・エアコンなどの設備を入れるとおおよその家賃相場が分かります。

そこでポイントになるのが、一口に家賃といっても賃料は「家賃+管理費(共益費)」の合計額になりますので、賃貸募集の際にはなるべくこの家賃は低くして管理費を多めに設定するのが重要です。

賃貸検索サイトではこの家賃で下限上限を決めて検索する方が多いので、なるべく家賃自体は小さくする方が多くの方の目に留まる物件になります。

例)総額90,000円の部屋の場合

  • ①家賃83,000円+管理費7,000円=総額90,000
  • ②家賃78,000円+管理費12,000円=総額90,000

①も②も総額は変わらないのですが、検索サイトの場合家賃7万円台で探している方からは①の情報は出てきません。反対に②は出てきます。

このように総額は変わらずとも内訳を変えるだけで検索ヒット率も大きく変わります。

所有している部屋が空室になる際には、賃貸管理をしてくれている会社に家賃と管理費の割合を変えてもらうように依頼してみるのも有効と言えます。

賃貸管理のご相談も受け付けてますので、不動産投資で家賃upを狙いたい方、賃貸管理でお困りの方はお気軽にご相談下さい。

まとめ

今回は賃貸管理について、賃貸管理会社に「任せきりにしない」という話をしましたが、いかがでしたでしょうか。

既にオーナーの方はもちろんのこと、これから不動産投資を始めようとお考えの方も、是非参考にしてみて下さい。