ふるさと納税はお得だからやった方がいいのは分かっていても、
- 仕組みが良くわからない
- 手続きが面倒そう
などの理由で、まだやっていない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回はそのような方々に向けて、税金のプロとしてふるさと納税の仕組みやメリットなどについてわかりやすく解説していきますので、ふるさと納税にご興味がある方はぜひ読んでみて下さい。
目次
1、ふるさと納税は税金対策に適している?ふるさと納税の仕組をわかりやすく解説
ふるさと納税とは、「自治体へ寄付」をすることで、お礼の品をもらい、所得税と住民税を少なくできる制度です。
つまり、ふるさと納税は自治体への寄付です。
納税という言葉がついていますが、実際には自治体へ「寄付」をしているのです。
寄付をすることで、様々なメリットがあります。
では、ふるさと納税をすると何がよいのか?以下にて、ふるさと納税の3つのメリットをご紹介します。
(1)お礼の品がもらえる
1つ目のメリットは、お肉、お酒、フルーツなど特産品や温泉宿泊券、ゴルフプレーチケット、乗馬体験など様々なお礼の品がもらえます。
お礼の品の種類はかなり豊富なので、自分にあったお礼の品が見つかると思います。
(2)所得税と住民税を少なくできる
寄付をしてお礼の品をもらっても、「それなら自分で買ったほうがお得じゃない?」と思われるかもしれません。
実は、ふるさと納税を利用すると、実質負担2,000円でお礼の品を受け取れて、所得税と住民税の税額が少なくなる仕組みになっています。
例えば、10,000円を寄付すると、8,000円の所得税・住民税が少なくなり(※)、実質2,000円でお礼の品をもらうことができるのです。
具体的なシミュレーションについては、「2、実際にふるさと納税して節税したシミュレーション」をご参照ください。
(3)自分の好きな地域に寄付ができる
生まれ故郷だけでなく、旅先で行ったことのあるお気に入りの地域など、自分の好きな地域へ寄付ができます。
また、寄付したお金の使い道も選ぶことができます。
2、サラリーマンがすべき?ふるさと納税の節税シミュレーション
それでは、ふるさと納税をすることでどのくらいの所得税・住民税が節税できるのか見てみましょう。
(1)独身に方がふるさと納税をしたケース
Aさん(独身)
- 年齢:30歳
- 年収:500万円
- 職業:会社員
ふるさと納税を60,000円行うと、所得税が5,900円、住民税は52,200円少なくなります。
「ふるさと納税による税金の節税額」
ふるさと納税 実施前 | ふるさと納税 6万円実施後 | 節税額 | |
所 得 税 | 144,400円 | 138,500円 | 5,900円 |
住 民 税 | 241,500円 | 189,300円 | 52,200円 |
合 計 | 385,900円 | 327,800円 | 58,100円 |
(2)既婚者がふるさと納税をしたケース
Bさん(既婚)
- 職業:会社員
- 年齢:38歳
- 年収:1,000万円
- 家族構成:妻(専業主婦)、小学生の子ども2人
ふるさと納税を17万円行うと、所得税が34,300円、住民税は133,800円少なくなります。
「ふるさと納税による税金の節税額」
ふるさと納税 実施前 | ふるさと納税 17万円実施後 | 節税額 | |
所 得 税 | 756,000円 | 721,700円 | 34,300円 |
住 民 税 | 591,500円 | 457,700円 | 133,800円 |
合 計 | 1,347,500円 | 1,179,400円 | 168,100円 |
ふるさと納税の仕組み、注意点などについて下記の動画にて分かりやすく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
3、ふるさと納税で損をする場合もある?節税できる年収に対する寄付上限額を知る
「ふるさと納税の注意点!寄付の金額には上限がある」
ふるさと納税には、一つ注意点があります。
それは、ふるさと納税による節税は上限額があるという事です。
また人によって上限額は異なります。
例えば、「2、実際にふるさと納税して節税したシミュレーション」でご紹介したケース2のBさんの場合、節税できる上限額は172,000円です。
この172,000円を超えてふるさと納税をしても、自己負担となってしまい節税の効果はありません。
つまり、ふるさと納付による節税の上限額は、年収、家族構成、年末調整で行った所得控除等により異なってきます。
自分の上限額を知っておく必要があります。
(1)年収500万円の場合
年収500万円の場合は、独身の場合は大体8万円の上限額に対して、配偶者がいる場合は大体7万円が上限額になります
つまり、上限額を超えてしまうと節税効果がなく損をすることになりますので、注意しておきましょう。
(2)年収1,000万円の場合
年収1,000万円の場合は、独身の場合は大体225,000円の上限額に対して、配偶者がいる場合は大体215,000円が上限額になります。配偶者の有無によって大体10,000円変わる形になります。
(3)年収2,000万円の場合
年収2,000万円の場合は、独身の場合は大体62万円が上限額ですが、配偶者がいてもいなくても上限額は変わりません。
ふるさと納税のサイトには、いくらまで寄付をすると節税の効果が高いかシミュレーションできますので、「ふるさとチョイス」の控除金額のシミュレーションをぜひ活用してみてください。
なお、複数の会社から収入があってご自身で計算ができない方は、会計士などお金のプロに計算してもらいましょう。より正確の数字が出ますので、安心できるでしょう。
4、ふるさと納税の手続きは簡単?手続きの流れ
では、ふるさと納税して税金を還付してもらうにはどのような手続きが必要でしょうか?
寄付をしてお礼の品をもらった後の手続きについて見てきましょう。
(1)ふるさと納税をしたら確定申告が必要?
ふるさと納税をしてお礼の品をもらった後、「確定申告」をすると、所得税と住民税の軽減が受けられます。
ふるさと納税により軽減される税金については、その年の所得税額から還付を受け、住民税については翌年の住民税支払額が少なくなります。
原則として、確定申告を行わないと税金の軽減は受けられません。
「確定申告は面倒だからやりたくない」という方もいると思います。
そんな方のために、「ワンストップ特例」という制度があります。
(2)「ワンストップ特例」を活用しよう!
ワンストップ特例とは、確定申告を行わなくても、ふるさと納税による所得税、住民税の軽減が受けられる制度です。
寄付をした後に、寄付先へワンストップ特例制度の申請を行うだけで、面倒な確定申告が不要になるのです。
しかし、ワンストップ特例を利用するには以下の2つの条件があります。
①もともと確定申告が不要の方
給与をもらっている方で年末調整しか行っていない方は、ワンストップ特例を利用できます。
なお、年収が2,000万円を超える方や、2か所から給与をもらっている方は、確定申告が必要となりますので、ワンストップ特例は使えません。
②ふるさと納税による寄付先が5か所までの方
ふるさと納税による寄付先が1年間で5自治体までの方は、ワンストップ特例を利用できます。
6か所以上の方は確定申告が必要になります。
確定申告をするのが面倒という方は、寄付先を5自治体までにして「ワンストップ特例」を利用してふるさと納税をするとよいでしょう。
節税対策として、ふるさと納税の他に個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)にも人気を集めています。
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは?公認会計士が教える知っておくべき5つのポイント
5、ふるさと納税は何がいい?オススメしたいふるさと納税のサイト
ここまで読んでいただいた方の中で、ふるさと納税の節税メリットは上限額があることがわかり、上限額の中でなるべく自分にあった特産品を受け取りたいと思う方も多いでしょう。
多くの特産品を比較できるサイトとしておすすめしたいのは、「さとふる」、「ふるさとチョイス」です。
取り扱っている特産品の数ではこの2つのサイトが圧倒的に多いので、自分にあったものが見つかるでしょう。
また支払はクレジットカードでも行うことができます。