今話題の「老後に2,000万円足りない問題」で政治の世界が揺れています。
この問題は平均的なリタイアした夫婦の場合、2,000万程度の資金を用意しておかなければ老後の生活ができないとの試算でした。
しかし、この問題はあくまでも現在の65歳以上の夫と60歳以上の妻の無職状態を想定して計算しております。
つまり、今の若い世代はもっと多くの資金が必要となります。
早いうちに気づくことで大きなリスクを取らずに備えていくことも可能ですので、今のうちから年金に頼りすぎないようにどうするべきか考えていきましょう。
目次
1、そもそも老後資金いくら必要?
(1)老後生活の平均生活費は「26万4,000円」
まずは金融審議会の「市場ワーキング・グループ報告書」のデータによりますと、毎月の平均年収は年金による約20万円で、それに対する支出が26万4,000円だそうです。
つまり、実際の収入に対して毎月の赤字は「5万5,000円」がでてしまい、1年で約66万円の赤字という計算になります。定年後に夫婦で95歳までに生きる場合には、2,000万円(5万円×12か月×30年)の貯蓄が必要となるとの指摘でした。
しかしながらこの数字はあくまでも平均です。悠々自適な老後生活を送りたい場合、もっとお金が必要ということです。
(2)ゆとりある老後生活をするための平均生活費は「34万9,000円」
さて、みなさんご自身で今まで理想の老後生活を考えたことはありますでしょうか。
例えば、定期的に旅行に行ったり、夫婦で食事に出かけたり、友人とゴルフに行くこともあるかもしれません。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」のデータでは、ゆとりある老後生活だと平均34万9,000円の支出と出ております。
ゆとりある老後生活で計算する場合、毎月の年金収入に対して14万の大赤字となり、1年で168万円です。30年間で計算した場合、なんと5,040万円(15万5,000円×12か月×30年)の貯蓄も必要となることがわかります。
つまり、ご自身はどのような老後を送りたいかによって、必要とする老後生活費は大きく変わるものです。従って、まずはご自身がどのような老後生活を送りたいかを具体的にプランニングしてみてください。
2、老後資金を準備する方法は色々ある!ポートフォリオの考え方
では、実際に老後生活費を算出した所で、どのように備えていくべきか、お金を準備する方法がわからない方がほとんどではないでしょうか。
続きまして、具体的にお金を準備する方法について考えていきましょう。
資産を形成していくうえで「卵を一つのカゴに盛るな」という言葉があります。
なぜならば、一つのカゴに卵を盛った場合、そのかごを落とした場合、すべての卵が割れてしまうからです。
投資の例でいえば、すべての資産を一つの銘柄の株式に投資をしていて万が一、突然の出来事で大暴落した場合、すべての資産が大幅に減ってしまいますが、様々な銘柄を分けることで自身の資産へのダメージを抑えられます。
つまり、資産形成するには分散投資することが大切です。
(1)銀行預金にて現金を持つ
我々は生活をしていく中で、突発的なことですぐにお金が必要になることも多いのではないしょうか。
その場合、金利はほとんどつかないですが、現金を持っておくという位置づけで、銀行預金をすることは一つのリスク分散手法として挙げられます。
物価上昇により価値が目減りしたり、円安に弱いというリスクはありますが、預けているお金をいつでも引き出せる流動性という部分では秀でています。
(2)インフレに強いのは「不動産投資」
一方、逆に流動性は低いですが、物価上昇、インフレに強い投資商品として、不動産投資が挙げられます。
融資を活用して他人資本で投資をスタートすることができ、贈与税、相続税などの税金対策に適しているなど、他の投資商品にないメリットもあります。
また、老後に向けて長期的に資産形成していくにも適して投資商品です。
(3)短期的に資産形成に強い「金融商品」
ハイリスクハイリターンではありますが、株、FX、などの金融商品は短期間にて資産形成していくには適している投資商品です。
ハイリスクハイリターンのため、儲かった時と損をする時がありますので、そのリスクヘッジをすることが大切です。
上記のように、投資商品にはそれぞれメリットとデメリットがあり、一つの投資商品に集中するのではなく、リスクヘッジという観点でもバランスよく持つことが必要です。
とは言え、得意と不得意がありますから、ご自身の属性、ニーズに合った投資商品を選ぶようにしましょう。
3、保険は貯蓄より保障?保険の活用方法とは?
近頃、銀行でお金を貯めるよりも保険で貯蓄した方が少しでも増えると思い、保険を貯蓄目的で加入されている方が増えています。
(1)保険商品の仕組み
保険会社は商品を作るときに、将来の保険金や解約返戻金に充てるため、保険料や事業継続のための経費などを差し引き、残った一部の資金を運用していきます。
つまり、私たちが支払った保険料はすべて運用に回っていないということです。
保険は保障や様々な経費に回る資金の割合が多く運用効率が下がるため、実はあまり向いていない金融商品となっています。
(2)保険の強みは
では、保険にはどんな強みがあるでしょうか。
保険の強みは何といっても「保障」です。
よくお客様から、将来の「貯蓄」や「保障」を持ちたいという相談を受けます。
仮に保険だけで賄おうとした際には、5,000万円の保障を得るには、毎月積立に10万円支払わなければなりません。
一方、保険の強みをきちんと生かし、5,000万円の保障を得るには、月々わずか1万円の掛け捨てで持つことができ、残りの9万円を貯蓄に強い金融商品に充てる方がより費用対効果が高いです。
(3)掛け捨て保険をうまく活用する
貯蓄で保険を検討されている方の多くは、保険を掛け捨てで持つのは勿体ないと感じるでしょう。
しかしながら、保険の強みである「保障」という観点では、月々安い保険料でそれをまかなえる掛け捨て保険は非常に優れているのです。将来の資産形成は何も保険内で完結しなければいけないというわけではありません。保険で掛け捨ていく以上の利益を、保険以外の金融商品で得ることができればよいのです。
掛け捨て保険について詳しく知りたい方は下記記事を参照にしてみてください。
つまり、保障は保険で、貯蓄は貯蓄に強い金融商品で準備することで、将来残る資産は大きく変わってくるのです。
仮に、仮に貯蓄や運用目的で保険に加入している方がいらっしゃいましたら今一度、ぜひ見直してみてください。