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物件の収支改善をお手伝いしていたSさまから、今加入している地震保険の契約期間5年が終了するということで、次にどのような保険を選ぶべきかのご相談を受けました。

1、相談した内容

今回はSさまから地震保険に再度加入のご相談でしたが、これを機に火災保険の内容も見直してほしいとの相談も一緒に受けました。

地震保険と合わせて、火災保険には「特約」を付けることができ、活用する方法があるということはお話しをさせていただきました。保険の選び方についてあまり重視していないオーナーが多いのも実情ですので、今回は、火災保険を不動産投資においてより有効なものとするために、契約内容の変更をすることとなりました。

2、提案内容

  • 2019年10月から火災保険料金が上がること
  • 特約をつけたい場合は、契約は新規になること

現状Sさまが加入している火災保険の内容を精査し、以上2点の理由から、地震保険だけを契約更新するのではなく、保険全体を全く新しいものとして契約することを提案しました。

(1)保険会社も切り替え

また、火災保険をより有効に不動産投資において活用するため、実際に火災保険を取り扱い会社の変更も行いました。

2年ほど前に、収支改善提案をするためにSさまの送金明細や、修繕に関する書類を確認していたとき、熱割れによるガラス破損交換費用として、10万円以上の明細がありました。ガラスの熱割れの場合、火災保険適用の対象になった経験があるから、保険会社に相談することを提案しました。しかし、保険会社からは適用外の連絡がきてしまいました。

ガラスの熱割れの保証に関しては保険会社によって判断が変わりますので、その点、相談しやすい保険会社を選択することをオススメします。上記理由も踏まえて新しい保険会社に切り替えました。

(2)5年で切り替えた方がトク

ここでは、まずは火災保険の仕組みを簡単に解説します。

投資用不動産の一般的な火災保険は10年間で加入することが多いです。火災による被害のほかに天災系の被害も保証され、10年分の保険料を加入時に一括払いします。

一方地震保険は、火災保険に加入すれば、任意で追加することが出来る保険で、「1年ごと」または「5年ごと」の加入を選択することが出来ます。

地震保険5年が終了した際にご相談いただいたため、Sさまが加入していた火災保険も残存5年ありました。このとき、「地震保険のみ5年の延長」という選択もできましたが、10月から火災保険の金額が高くなることがわかっていたため、本体の火災保険も新規に加入しなおすことをオススメしました。

火災保険の残存年数は5年ありましたので、解約返戻金が戻り、今回の火災保険料に充当しました。追加で費用は掛かるものの、5年後には火災保険の基本料も今よりは高くなる可能性があるので、長期的に考えるとSさまは費用を抑えることができたといえるでしょう。

(3)実際に切り替えた火災保険とは?

実際にSさまが新しく切り替えた火災保険の保険概要は下記となっています。

①火災保険の概要

  • 火災保険(水災なし)10年
  • 地震保険5年

②火災保険の特約について

新規の火災保険の特約としては、下記3つの特約を追加で加入しました。

■賃貸建物賠償特約

賃貸建物賠償特約は、建物の破損が原因で損害賠償責任が発生した際に、最高1億円の賠償という内容になっています。

中古物件の場合、何かが壊れてしまうことが十分に考えられますので、その時に備えてこの特約は必要という判断です。

■機械的・電気的事故特約

機械的・電気的事故特約は、経年劣化ではない場合で、設備としての機械(エアコン、給湯器、IHコンロなど)に不具合が生じた場合、その修繕費用を受け取ることができるという内容になっています。

■事故時諸費用特約

機械的・電気的事故特約は、火災保険が適用され保険金がおりるとき、その金額の30%(最大金額設定あり)が追加で支給されるという内容になっています。

(4)保険料を変更せず、保証を厚くした保険内容になった

今回新規で加入された火災保険の本体設定金額も、5年前よりは低く設定しました。

5年前は、Sさまは担当者に言われるがままに、物件の借入金額=設定金額としていたため、火災保険料がとても高かったのですが、今回は、「火災が発生してしまった場合は、残債を返済することを最優先事項とする」という目的に変更し、火災保険の設定金額を5年前に比べ1/3程度にしました。

しかし、建物は5年も経ったということもあり、様々なリスクを考慮し3つの特約を付けして保証をあつくしましたが、本体の設定金額を下げたため、全体の保険料はほとんど変わりません。

3、今の状況

まずは、地震保険の契約期間がきれる2棟のみ、火災保険の契約を見直しました。

Sさまはその他にも物件をお持ちですので、10月の火災保険料率改訂前に残りの物件の保険見直しを行う予定です。

担当者からの一言

不動産投資の成功を考えるとき、賃貸管理がとても重要です。 

その手伝いをしてくれるのは管理会社ですが、実は火災保険が素晴らしい働きをすることを知らない方はまだまだ多くいらっしゃると思います。

投資物件を所有しているオーナーは、火災保険のパンフレットを今一度見直してみてください。 

いままで単なる修繕費用として支払っていたものが、実は火災保険が適用できたかもしれないなんてことがたくさんあるかもしれません。