不動産投資は、長期的に渡り資産形成していく投資商品であるとは言え、突発的に現金が必要になったり、資産の組替えなど様々な理由によって売却することも考えられます。せっかく購入した不動産で損をしないためには「出口戦略」が必要です。
しかし、どのタイミングで物件を手放すべきなのか、どのようにしたら物件は短期間かつ高く売れるのかについて、把握していない方は多いのではないでしょうか。
一般的には、不動産投資家の方は
「毎月これくらいの収入がある」
という定期的な家賃収入で考えるインカムゲインと
「〇年後には〇円で売れるだろう」
という物件を売った時の売却利益で考えるキャピタルゲイン、この2つの条件を見込んで投資不動産を購入します。
インカムゲインの観点では、「毎月の収入-毎月の支払」ですから、儲かっているかどうかは比較的判断しやすい数字です。
一方、キャピタルゲインの観点では、
- いつ売ったら売却利益を最大化できるのか
- 譲渡所得税はいくら払うのか
税金も絡んできますので、ただ単純に「購入時の価格―売却時の価格」で判断できません。様々な条件から出口戦略を考える必要があります。
なお、ここでみなさんに知っていただきたいのは、売却のタイミングを考えることよりも大切なのは、何より「売れる物件」を買うことです。
「売れる物件」であれば、非常に出口戦略を立てやすいです。困るのは売りたいときに売れにくい、売れない物件です。
つまり、物件を購入する前にきちんと出口戦略を考慮しながら物件を選ぶことが必要です。
今回の記事では、年間180名の投資家に提案させて頂いている私が、融資を受けたことを前提に出口戦略を細かく解説していきます。
これから物件の売却を検討されている方だけではなく、物件の購入を検討されている方にも、ぜひ読んでいただきたいです。
目次
1、不動産投資で成功するには出口戦略が大事
悩みぬいて購入した不動産を売る時は、
- 売ったら儲かる時
- 売らざるをえない時(すぐにでも手放したいとき)
上記2つの理由に該当される方がほとんどではないでしょうか。
(1)売ったら儲かる時
売ったら儲かる時は儲かるわけですから、出口戦略に頭を悩ませることはほとんどありません。
例えば、相続した無借金の不動産を売却する、数年前に購入した不動産をバブル期と言われている今のタイミングに売却するなど、儲かる時と言われています。
せっかく儲かるのであれば、その利益を最大享受したいものです。ここで注意するのは「譲渡所得税」です。譲渡所得税率は物件の所有期間5年を一つの目安に、長期所有と短期所有と分かれており、なんと短期譲渡は長期譲渡の税率の約2倍です。今売るのがいいのか、数年我慢したほうが税金が低く済むのか、利益率をきちんと計算しましょう。
(2)売らざるをえない時
売らざるを得ない時に「損をしないこと」を考えることが、出口戦略を考えることと理解してください。
今すぐにでも売りたいと考えている人の多くは、いくらでもいいから売りたいとなりがちで、数十~数百万円の損は受け入れてしまいます。このマイナスで、せっかくそれまでコツコツ貯めた家賃収入も一瞬で相殺されてしまい、不動産投資なんてしなければよかったとなってしまう方が多いのです。
そうならないためにも、購入する時
- この不動産なら〇円くらいで売れるだろう
- 相場はこのくらいだ
- このエリアなら賃貸需要が高い
など、損をしないラインを決め、かつ売れる物件を選んで、不動産投資をスタートすることが重要です。
基本的には急いで売却するには、足元が見られてしまいますので、売り急がない心構えを持つようにしましょう。
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2、アパート経営とワンルーム投資の出口戦略が違う
不動産投資を一言で言っても、大きくアパート経営とワンルームマンション投資と分かれます。
アパート経営の場合は、物件価格が大きくなるため売却する期間がかかることまず認識しておく必要があります。アパートは大体10年前後のスパーンで大規模修繕を行われることが多く、修繕の前に売却するのは一つのタイミングと言えます。また、アパートの法定耐用年数は22年となっており、減価償却できる期間も短くなっているため、その期間も見極める必要があると言えます。
ワンルームマンション投資の場合は、物件価格は比較的に安くなっているため、アパートと比較して売却できる期間は短くなります。ワンルームの場合は単身者を入居ターゲットとなるため、物件の立地が重要視となれるため、交通の便ばいいエリアの物件である必要があります。なお、ワンルームの場合は投資の他に自宅として探されるユーザーもいるので、空室のタイミングで売却するのも一つの選択肢として挙げられます。
3、新築と中古の出口戦略が違う
新築物件は、広告費宣伝費、建設会社の利益などが上乗せられて、新築というプレミアで中古物件よりも約2割物件の金額が高い傾向があります。
その反面、中古と比較して、空室率は低く、家賃は高く、修繕費も少なく済むなどのメリットがあります。
新築は様々なリスクが低くなる分、物件価格が高くなるという位置づけです。
物件金額が高い分、中古物件より売却までの期間は3年~5年長くなります。
一方、中古物件は価格が低く購入できるため、築年数による価格の下げ幅を考えた際に、中古は新築より3年~5年早く出口戦略を考えることができます。
4、出口戦略は購入前に立てるべき
出口戦略は、購入前に「ある程度」立てておくべきです。
なぜならば、いくらで売れるかの前に、売れる物件であることが重要だからです。
(1)不動産を売却する時に関係する要素
不動産を売却する時に関係する要素はいくつもあります。
- 残債がいくらあるのか
- 税金はいくらかかるのか
- マンションの相場は高い時期か低い時期か
- 中古マンションに対する融資は積極的か
- 不動産という投資商品の人気度合
- 時間的にゆとりのある売却計画を立てられるか
- 買った物件の金額は今いくらの価値があるのか
などなど。
つまり、損をしないために売却するタイミングを見極める必要があります。
(2)不動産を購入時にチェックすべき項目
不動産を購入時に、必ずチェックしておくべき項目を以下にて挙げます。
- 5年、10年など区切りのいい時期の残債額
- 近隣マンション相場の直近15年の値動き
- 購入物件+10年の近隣物件の売買金額と家賃
- 最寄り駅の成長性
上記4つの項目を確認することによって、ある程度の売却時期と売却金額を想定することができ、出口戦略で一番の敵である「売り急ぐこと」を避けることもできるでしょう。
5、高く売却するために知っておくべき5つのポイント
最後に、不動産を高く売却するために知っておくべき4つのポイントをご紹介します。
(1)売却までの時間に余裕をもつこと
何度も繰り返しになりますが、時間的に余裕を持つことが大切です。
時間に余裕がない、すぐに売りたいと思うことで数百万円安く売ってしまったなんてことはよく聞く話です。
不動産売却時、時間に余裕を持つこと、気持ちに余裕を持つことを決して忘れないでください。
(2)家賃を高く設定すること
投資用不動産は、「家賃÷利回り」で売買相場が設定されます。同じマンションでも家賃が高い部屋は高く売買されますし、家賃が低ければその分売買金額は安くなります。
管理会社選びでは、家賃設定まで相談できる会社を選ぶ必要があります。
(3)投資物件に特化した業者に査定依頼する
不動産仲介会社にも得意と不得意があります。投資物件の売却はやはり自宅の売却とは違うノウハウが必要になりますので、投資物件の売却を専門とする業者に売却依頼することが重要です。
とは言え、いくらで売られるかの相場をご自身で把握しておく必要がありますので、その前にまず査定して相場を把握しておきましょう。
「東・仲」では1,500件投資物件の実績がありますので、売却を検討されている方は一度査定してみてはいかがでしょうか。
(4)買取業者に売却する
こちらの場合は、個人ではなく、業者に売却することになります。
買取業者に依頼するメリットは、販売力が高く融資付の能力もあるため、条件さえあえばすぐに物件を買い取ってくれます。
しかし、スピーディーに売却ができる反面に、買取は基本的には相場価格の7割前後になることが多いため、売却損がでてしまうこともあります。
(5)マンション市場が高い時期にあるかどうか
マンション価格は市況によって大きく変動します。
融資が活発な時は物件価格は高くなりやすく、再開発や道路拡張、路線開通など街の開発があると不動産価格も上昇します。
直近でいうと、不動産価格はリーマンショック後に下落しましたが、その後2010年に3~5割上昇しています。その前の波はバブルの頃にありました。つまり、マンション市場が活発な時を見極めることが物件を高く売却するポイントです。