不動産投資をする人の中に「自分が住みたい」「自分が住んでいた」「よく行くところ」などといった理由で物件を選ばれる方が多くいます。
全く知らない場所や聞いたこともない場所ならともかく、自分を軸という考え方だけで投資する物件の場所を決めて良いのだろうか。
今回は不動産投資をするならどういった場所が良いのかをデータからお話したいと思います。
不動産投資をこれからお考えの方は最後までお付き合いください。
1、住みたい街ランキングは理想の塊で現実味がない?!
皆さんが駅構内などで、無料の不動産情報誌「SUUMO」(※株式会社リクルート発行)を目にすることも多いのではないでしょうか。
この雑誌では様々な不動産に関するランキングや、豆知識が掲載されていることはご存じでしょうか。
リクルート社が独自にアンケートを取っているのですが、利用者も多くユーザーのリアルな声が多いので、非常に現実味のあるデータが多く掲載されています。その中でもよく見かけるのが「住みたい街ランキング」です。
不動産投資において『賃貸需要』という要素は最も重要な要素の一つです。下記は実際にSUUMOに掲載されている住みたいランキングをアンケート結果を抜粋しています。
SUUMOアンケート結果より引用
こちらは年に一回は集計を取っていて、毎年のように「横浜」「恵比寿」「吉祥寺」といった街が上位にランクインしています。
ところがこの「住みたい街」というのは「住んでみたい街」といった憧れの意味合いも強く、家賃が高いこともあり、現実的には「住めない街」だからこそ「住みたい街」に名前が挙がるという話です。
実際に恵比寿に住んでいる方は「住みたい街」に恵比寿とは答えないでしょうから。
ただ、もし仮に家賃が安かったり、会社が沿線沿いにあれば「住みたい」という需要が高いということは間違いありません。
なので「住みたい街ランキング」上位になければ、賃貸需要がないということでは無いので、あくまでも“理想”に近い需要と言えます。
現実的には恵比寿ではなく、日比谷線沿いだったり、吉祥寺ではなく中央線沿いや西武新宿線沿いに住むことで、この理想に近づいているというところでしょうか。
2、住みたい沿線ランキングは現実の需要に近い!?
つづいて見て頂きたいのはこちらの「住みたい沿線ランキング」です。
※株式会社リクルート発行の情報誌SUUMO5月26日の紙面から抜粋
こちらは2020年のデータですが、先述の「住みたい街」よりもよりリアルに近い需要(入居者の思い)が現れているのではないでしょうか。
というのも、1位:山手線、2位:東急東横線、3位:京浜東北線というまさにオフィスエリア直結の沿線だからです。
会社員は週に5日も通勤している為、人生の半分を勤務地で過ごすことになります。
コロナ禍で通勤をずらす企業や在宅勤務が増えたとはいえ、多くの会社員の方が通常出社しているなかで、乗り換えが多いことや通勤時間が長いことにリスクを感じている方が多いのも事実です。
そういった中で、このコロナ禍真っ只中に取られたアンケート結果はかなり信ぴょう性が高いと言えます。
賃貸需要の大事な要素のひとつに「勤務先まで直結でいける駅」という希望を出される方が多くいますが、不動産投資においては物件選びの基準として、こういった需要の高い沿線の物件を選ぶということが重要だと言えます。
もしかしたら自分にとっては、東横線も京浜東北線を馴染みがないかもしれませんが、ご自身が住むのではなく、人に貸して家賃を頂く不動産投資においては、こうした生の声で出来たデータ結果を元に物件選びの基準にするのが良いのではないでしょうか。
そして注目すべきは根強い人気のJR各線や、大手町東京駅などのオフィスエリア直結の丸の内線や渋谷発着の沿線などです。
また新駅「高輪ゲートウェイ駅」にも繋がる泉岳寺駅に直通運転をしている京浜急行電鉄も、「座れる通勤列車」として有名になった「モーニング・ウィング号」は、朝の通勤ラッシュにも座れる電車として注目されています。
東急東横線はそのまま日比谷線として六本木・銀座エリアまで直通の為、非常に人気が高く、その東急電鉄は「LED蛍光灯一体型の防犯カメラ」を2020年設置したことで、痴漢やトラブルの抑止となる為、「女性や子供やお年寄りが安心して乗れる電車」を目指しているので、今後も高い需要を維持することが予想されます。
今まで物件選びに自分を軸に私情を挟んでいた方は、こうした正しい情報を不動産投資に活かすことで、少し考え方を変えてみてはいかがでしょうか。