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不動産投資を検討されるとき、皆さんはどのように情報を得て、どのような投資プランを検討されているのでしょうか? 

本を片手に検討される方、ネットの情報を頼りに検討される方、セミナーを受講され検討される方、友人や上司の紹介で検討される方など、様々な手法で検討されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。 

人によって合うと合わないがあるので、正解、不正解はございませんが、正しい情報を平等に正しく取り入れることが重要です

なぜならば、不動産投資は時代によって、商品性ややり方、流行り廃りなどがあるからです。

例えば、本を読んで影響された内容が古かったら、今の時代にマッチするとは言えない可能性が高いです。また、不動産投資の成功者が語るセミナーで、この人みたいになりたいと思ったところで、同じことが出来る時代は終わっていることも多々あります。

つまり、不動産投資で成功するには最新の情報を知ることが大切です。今回は時代に合わせた不動産投資スタイルの重要性について詳しく解説していきますので、これから不動産投資を検討されている方は、ぜひ最後まで読んでみて下さい。 

1、今までの不動産投資市場の流れ

不動産投資が当たり前のように耳にする時代になったのはごく最近だと思われている方が多いと思いますが、実は20年以上前からやっている方もいらっしゃいます。

そんな中で、時代によってやり方や、流行りものは変わっていきます。不動産投資の時代の流れをみてみましょう。 

2、バブル崩壊後~1990年代の不動産投資

昭和から平成の初めのころの不動産投資は、現在のようにインターネットが発達してない時代で、不動産投資会社による電話営業でお客様に押し売りするようなスタイルが横行していた時代もありました。当時の方の話を聞くと、今からは想像できないような販売手法で不動産投資を斡旋していたとのことでした。こういった時代のせいもあり、不動産投資は危険、怪しいと感じられている方も大勢いらっしゃいました

当時の物件は、12㎡くらいの風呂トイレ一緒の狭いワンルームを中心にしており、銀行の貸し出し金利も3%以上(バブル期は8.5%以上)のローンを30年(現在は45年ローンもある)組んで、月々の持ち出しが2万以上あり、「節税」「売却益」をメリットに営業トークでした

下記データを見て頂ければ分かりますが、バブル期と言われている80年代後半から急騰し、新築マンションで90年代には1億後半の高値もつきました。それと共に年収倍率もなんと18.12倍まで拡大したという背景がありました。不動産価格が上昇していたので、物件の転売による売却益目的(キャピタルゲイン)での利益儲けがメインでした

不動産投資情報出典:東京カンテイ

バブル崩壊後、20㎡くらいの風呂トイレ別々の1Kマンションタイプが主流になりました。しかし、金利や、融資期間が変わるものの、投資手法としては大きな変化はないままでした。

それでもまだ金利が高いため、融資を活用した場合、キャッシュフローが大きく赤字になる物件が多く、以下にてシミュレーションを見てみましょう。

(例)

バブル当時バブル崩壊後現在
物件価格2,500万円物件価格1,900万円物件価格2,800万円
貸出金利8.5%貸出金利3%貸出金利1.75%
ローン年数30年ローン年数30年ローン年数35年
家賃7万円
(代行手数料:3,500円)
家賃7万円
(代行手数料:3,500円)
家賃90,000円
(代行手数料:4,500円)
支払い192,228円支払い80,104円支払い89,201円
管理費修繕積立金10,000円管理費修繕積立金10,000円管理費修繕積立金10,000円
合計収支▲135,728円合計収支▲23,604円合計収支▲13,701円

このように収支はマイナスになりますが、融資を活用することによって、団体信用生命保険に加入することができることから生命保険代わりになる、不動産取得が赤字となることによって、給与所得と損益通算することによって、サラリーマンにとっては節税効果がある、家賃収入による年金対策などをポイントに、不動産投資を販売している会社がほとんどでした

3、2000年代の不動産投資

2000年代になるとワンルームマンション投資では、多くの金融機関が業界進出してきました。それと同時に融資への審査基準が少し緩くなり、会社勤めしている方なら、会社の信用を活用してほとんどの方が融資を組むことができました

とは言え、貸出金利4.5%を超え、返済比率(収入に対する返済の割合)を無視したような融資も横行し、多くの債務者が苦しめられた時代でもありました。ただ、現在に比べて、都心の不動産価格がバブル期から見て底をついた時代でもあったので、当時ワンルームマンションを購入して、近年売却をすることによって、売却益(キャピタルゲイン)を得た方も多くいらっしゃいます。その後、ITバブル、ミニバブルと呼ばれる時代には都心のマンションは再び価格高騰して参りました。

そんなワンルームマンション投資が流行りだす中、新築アパート投資が流行りだしたのもこの時代でした。また、インターネットの普及もあり、情報がネットで拾えるようになり、一般の方も不動産投資の情報を目にする機会が増えて、不動産投資という商品が一気に浸透した時期と言えます。

ところがリーマンショックの影響で外資系金融機関が撤退し、その影響で他の金融機関も不動産融資が厳しくなり、不動産の価格が下がり始めました。さらに東日本大震災の影響などもあり、木造よりも、RC(鉄筋コンクリート造)の方が良いのではないかという議論が交わされてきましたが、不動産投資に関しては、マンション派VSアパート派という図式が主流になり、それぞれの会社がそれぞれの主張をしていました。

マンション投資が月々マイナス収支なのに対して、アパート経営は月々プラスの収支で持てて、尚且つ土地が残るという話でよく対比されることがありました。

4、2010年代の不動産投資

オリンピック開催決定後、東京都心部を中心に価格高騰が始まり、ワンルームマンション投資は、マイナス金利実施により超低金利時代で融資を受けるようになりました。価格が高騰したら売却して売却益を出しましょうというキャピタルゲインをメインにした販売手法が主流になり、一棟収益物件に関しては、まだまだ地方は安いという謳い文句で地方の収益不動産に人気が集めました。

これが後の空室を改ざん、家賃を改ざん、年収を改ざん、預貯金を改ざんなど違法な手法が明るみになり、不祥事ニュースが続きました。このような大きなリスクをお客様に背負わせる悪徳手法で、多くの不動産会社が見様見真似でやり続けて、多くの犠牲者を出す結果となってしまいました。

そして、20182月までこのやり方を続けていた多くの不動産屋が倒産になっていったのは最近の話です。現在ではこのやり方も出来ないため、今できる不動産投資は非常に限られております。

5、現在の不動産市況と不動産投資

過去の書物(ここでいう2018年以前)のやり方では、今から始める方は、時代も背景も、融資条件も異なるため、真似することが出来ず、過去の成功者の話は過去のものでしかないということです。

ここで重要になるのが、今の時代にはどのような不動産投資が良いのか、果たして不動産投資自体が良いものなのかを考える必要性があります。

(1)マンション価格の動向

①中古マンション価格の動向

下記直近10年間の不動産価格指数推移のデータを見て頂ければ分かりますが、ところどころ価格が下がっている時期もありますが、201312月以後ほぼ右肩上がりであることが分かります

 出典:一般財団法人 日本不動産研究所「不動研住宅価格指数」(2019年2月26日)

20182月に判明した金融機関と不動産投資会社とのトラブルは不動産価格全体にも影響を及ぼしていることは事実ですし、地方収益物件の投資に関しては動き自体が鈍くなっております。

過去にもこういった時代がありましたが、それは前述したリーマンショック時です。

融資が厳しい時代は、不動産の価格は下がり始めます。買える方が少なくなると、価格を下げざるを得ないからです。

そういった意味では現金または、地元の信金が使える方は地方物件も価格が上がり続けている都心以外の検討も有効的です

②新築マンション価格の動向

一方、新築マンションの価格は2015年~2016年に少し下がったものの、その後すぐ価格の上昇に転じたことが分かります

出典:国土交通省「住宅経済関連データ」(平成29年度)

(2)家賃相場の動向

下記グラフを見て頂ければ分かりますが、20173月あたりから、家賃相場が上昇しはじめたことがわかります 

また、1部屋もしくは2部屋のひとり暮らしタイプの部屋の家賃よりも、ファミリータイプの家賃相場が少し不安定であることがわかります

投資物件のタイプ選びで一つの参考にあるのではないでしょうか。

出典:公益財団法人 不動産流通推進センター「不動産業統計集」(2018年)

6、オリンピックがもたらす不動産投資市場への影響は?

時代はオリンピック効果で旅行者も増え、海外からの就業者も急増しております。

下記観光庁のデータのように、各国でのオリンピック開催後の観光客は上昇する傾向にあります。

出典:観光庁「過去のオリンピック・パラリンピックにおける観光の状況

こういった観光客相手の旅館業としての不動産投資が未来を見据えたやり方としても非常に注目を集めております旅館業は東京だけではなく、京都や大阪、福岡なども有効で、利回りも通常賃貸経営よりも高くなるケースが多いです

従来からあるやり方、未来を見据えたやり方、どのようなやり方があるかをしっかりと知り、どのやり方が自分に適しているのか、このあたりが不動産投資を始める際に、知っておくとスタートから変わっていくのではないでしょうか。

大きな買い物になる不動産投資は、慎重かつスピーディーに正しい情報を集め、投資をするのは自分自身であることを忘れず、自己資産を守るためにも他人を信用しきらないことも重要になります

あなたにおすすめの専門家

小嶋 啓一(こじま けいいち)

■ 所属会社
K’S Signature株式会社
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■ 担当分野
海外不動産投資 投資全般のコンサルティング

自らが日本と米国で不動産を主体とした資産形成を個人・法人で行い、その経験を通じてお客様にベストな選択肢を提供します。

野村 元輝(のむら げんき)

■ 所属会社
海外投資協会
■ 担当エリア
全国
■ 担当分野
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国内生保の代理店営業時代は個人を中心に400世帯余り、証券枚数1300件ほどの契約をあげてきました。海外投資アドバイザーとしては、おかげさまで日々国内外の方から海外投資の相談を頂いております。

石田 渉(いしだ わたる)

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年間「300人」以上提案。お客様の資産背景、家族構成、投資目的など様々な条件から、保険、不動産投資など様々な投資商品と組み合わせたトータルコンサルティングをさせて頂いています。

まとめ

不動産投資といってもひとくくりには出来ません。

新築一棟・新築区分マンション、中古一棟、中古マンション、駐車場経営、旅館業としての投資、これらをすべて比較するには多くのセミナーなどに参加すると良いでしょう。

多角的に不動産投資を知ることで、正しい知識と、正しい情報を基に、自分に合った不動産投資をすることが一番重要です。

実際に不動産投資をして成功された方の事例を3つご紹介しますので、参考にしてみてください。

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