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不動産投資をされている方は、火災リスクを回避するため火災保険に加入されている方はほとんどではないでしょうか。

今までは最長10年と契約ができた火災保険ですが、近年の台風や大雨などの被害が多く発生しているため、保険会社は多額の保険金支払いによる収支が悪くなったのが背景に、東京海上日動、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保の大手損害保険会社4社は最長契約期間を5年と見直しする方針のようです。

これから業界内で議論が進み、早ければ年内にも見直しが確定する見通しです。

火災保険の最新動向について把握しておきましょう。

1、そもそも火災保険とは?保障内容とは?

火災保険は名前の通りに、火災が原因による所有している不動産に損害が出た場合に保障をしてもらえる保険のことを言います。

なお、火災保険の補償範囲は火災に限ったわけではなく、上の階からの水漏れ、自動車事故による被害などと言った「日常の災害」と台風、大雨による被害などと言った「自然災害」も補償範囲となっています。

その他に「家賃補償特約」、「賃貸建物所有者賠償特約」、「家主費用特約」など様々な特約も設けられていて、ご自身の状況に合わせてより手厚く保障を追加することができます。

2、契約期間を5年と見直しになった背景は?

では、今回は火災保険の契約期間を5年と見直しになった背景とはなんでしょう。

それは、毎年のように台風や大雨の被害が相次いで保険金の支払いが巨額になり、会社の収支が悪くなったからだそうです。

2018年度の保険料は過去最高となる16,600億円に上り、2019年度も台風19号など台風被害が相次いだため1兆円規模の見込みです。

つまり、このような自然災害に対して予想することは非常に難しいので、長期間の契約期間を持つことによって、保険会社の収支が悪くなるリスクが高まるのです。

実は昨年の10月に大手損保保険会社の保険料はすでに全国平均で「6%〜7」と値上げしており、来年の20211月に更に値上げすることも決まっています。

3、なぜ契約期間を短くするの?保険料はどうやって決まるの?

保険金の支払いが厳しいのであれば、保険料を値上げすれば済むのではと思われている方が多いと思いますが、なんで契約期間を短くする必要があるのでしょうか?

火災保険の保険料はこれまでの自然災害が発生した実績に基づき、これから災害が起きる確率などを予想して保険金の支払額を計算して決めるそうです。基本的には保険料を一括払いとなっており、契約期間中に見直しすることもできないようになっています。

つまり、契約期間を短くすることができれば、保険料見直しする機会が増えるのです。今回の大手損保保険会社の動きを見て、我々契約者にとっては今後保険を更新する度に保険料が上がっていく可能性があると言えます。

4、コスト増を想定した収支シミュレーションすることが重要

不動産投資には固定資産税などの税金の他に、管理費、保険料など様々なコストがかかります。

収支シミュレーションを作成する際に、現在の情報を基づいたシミュレーションをするだけではなく、5年後、10年後に

  • 家賃の値下げ

収入が減るのに対して

  • 管理費値上げ
  • 金利上昇による返済額の増加
  • 保険料の値上げ

などコストが上昇することを想定したシミュレーションもすることが非常に重要です。

このようにシミュレーションをすることによって、どのタイミングで物件の買い増しをするのか、どのタイミングで物件を買い替えするなど、物件の持ち方などのプランニングをすることもできるようになります。

なお、不動産投資をしていく上で知っておくべきコストなどについては下記記事を参照にしてみてください。

あなたにおすすめの専門家

野村 元輝(のむら げんき)

■ 所属会社
海外投資協会
■ 担当エリア
全国
■ 担当分野
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国内生保の代理店営業時代は個人を中心に400世帯余り、証券枚数1300件ほどの契約をあげてきました。海外投資アドバイザーとしては、おかげさまで日々国内外の方から海外投資の相談を頂いております。

小嶋 啓一(こじま けいいち)

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■ 担当エリア
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■ 担当分野
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自らが日本と米国で不動産を主体とした資産形成を個人・法人で行い、その経験を通じてお客様にベストな選択肢を提供します。

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司法書士として、不動産の所有権・抵当権関係を登記、不動産投資での法人設立のお手伝いもさせて頂いています。

まとめ

今回は火災保険の契約期間の見直しについて書きましたが、参考になりましたでしょうか。

不動産投資には様々なコストがかかっており、コストが増えれば収支が減ることになります。常に最新の情報をキャッチし、事前に対策を立てることによって影響を最小限におさえることができます。

こちらの記事がお役に立てれば幸いです。

カテゴリー: 不動産投資とは
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