2016年のマイナス金利実施により、史上最低と言える低金利時代に突入しました。その前に不動産投資ローンを受けるいる方は、まだ高い金利で不動産投資ローンを借りている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
金利が高いと、月々の返済額が多くなり、キャッシュフローに影響するのと、元金の減りも遅くなるなどのデメリットが挙げられます。
しかし、不動産投資ローンの借り換えを検討しているものの、
- どこに相談したらいいのかが分からない
- そもそも自分は借り換えができるのかが分からない
など、悩まれている方も少なくないでしょう。
そこで今回は、日頃から借り換え案件を多く取り扱っている私が、
- 借り換えができる方の条件
- 借り換えしない方がいいケース
- 借り換えのスキーム
- 借り換えで成功した方の実例
などについて書いていきます。不動産投資ローンの借り換えを検討されている方は、ぜひ読んでみてください。
目次
1、借り換えができる方の条件は?
まず最初に、不動産投資ローンの借り換えができる方の条件をお伝えします。
(1)そもそもなぜ高い金利になったか理由を知っておく
高金利の時期に物件を購入された場合を別にして、低金利の時にも高い金利でしか融資を受けられなかったのか理由を知っておきましょう。
①業者の力不足
不動産会社は、基本的には金融機関と提携ローンを提携しています。
その会社の取引実績によって、同じ金融機関でも会社によって受けられる融資の条件が異なります。
高い金利でしか融資受けられなかったのは、その会社はそのような融資プランしか紹介できなかったのが1つの原因として挙げられます。
つまり、その会社は取引実績が足りず、金融機関から評価されていないということになります。
②身の丈に合ってない投資プランだった
物件を購入する時に、ご自身の属性が良くなかったのも1つの理由として挙げられます。
不動産投資は、融資を活用して他人資本で始められるのはメリットではありますが、借金は借金です。返済していくことが必要なため、身の丈に合った投資プランであることが大前提の条件になります。
高い金利でしか融資受けられなかったのは、つまり、身の丈に合った投資プランでない可能性が高く、このままの金利で所有していくことが非常に危険です。
一度、ローンの借り換えを検討されるといいでしょう。
(2)借り換えができる方の2つの条件
では、実際にどんな方は借り換えができるのでしょうか。
具体的には以下2つの条件をクリアした方が、借り換えをしやすいと言われています。
- 物件購入「10年以内」で、「2.7%以上」の金利で融資を受けた人
- 借入れ総額(住宅ローンも含む)が、年収の「10倍以内」の人
上記の条件は一つの目安になりますが、一つでも該当する方がいらっしゃたら、ぜひ借り換えを検討してみてください。
2、借り換えするメリット
では、不動産投資ローンを借り換えすると、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
先に、借り換えする3つのメリットをご紹介します。
(1)利息額が安くなる
借り換えする金融機関にもよりますが、例えば弊社でご紹介させていただく場合、金利「1.8~2.2%」前後で借り換えすることができます。
キャッシュフローでみると、45年ローンで借り換えすることができた場合、月々「1~3万」のキャッシュフローを手元に残すことができます。
利息でみると、例えば、3,000万の物件を所有していて、金利が0.5%下がった場合、35年で利息だけで「約300万」が安くなり、金利が1.0%下がると、なんと利息は「約600万」も安くなるのです。
(2)月々のキャッシュフローがよくなる
金利が安くなることによって、毎月の返済額も安くおさえることができます。
よって、月々の返済額が下がることによって、キャッシュフローもよくなります。同じ金額の物件を所有していても、少しでもキャッシュフローをよくしたいものです。中には金利が下がったことによって、今まで月々手出しをしていたのにキャッシュが残るケースもあります。
月々のキャッシュフローがよくなれば、全体のキャッシュフローがよくなりますので、投資収益率のアップにも繋がります。
(3)借り換えすることによって、出口戦略も立てやすい
実は、借り換えすることによって、出口戦略も立てやすくなるのです。
なぜならば、金利が安くなることによって、元本が減るスピードも早くなるからです。5年~10年後に売却する際に、元本が大きく減っていれば、利益も出しやすくなりなす。
つまり、金利が安くなると出口戦略も立てやすいと言えます。
(4)団体信用生命保険の保障内容を広げることができる場合もある
最近、団体信用生命保険の保障内容が豊富になりました。以前借りていた時の団体信用生命保険は死亡保障しかなかったのに対して、借り換えする銀行によってですが、元の生命保険から、
- がんの保障
- 生活習慣病の保障
- 病気やけがの保障
など、保険の保障範囲を広げることができます。
なお、団体信用生命保険の仕組みについて詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
3、借り換えするデメリット
続きまして、借り換えをするデメリットについてを見てみましょう。
(1)借り換えに手数料がかかる
まず最初に借り換えのデメリットは、手数料がかかることです。
銀行によって借り換えの手数料は違いますが、「20~30万」前後が1つの目安になります。
なお、借り換えする際に、なんと借り換えの手数料をローンに入れることもできますので、ほとんど手出し金額ないと思っていいでしょう。
(2)融資受けられる期間が短くなる
不動産投資ローンの借り換えをするタイミングによって、融資期間が短くなる可能性があります。
例えば当初融資を受けた時の年齢が40歳の時に、借り換えをするのは49歳となった場合は、単純の考え方は当初より9年も融資期間が短くなる試算になります。
融資期間が短くなることによって、月々の返済額が逆に上がってしまうの可能性も出てきます。
(3)健康状態がよくない場合はできないケースもある
団体信用生命保険は生命保険になるので、加入時の健康状態に対する縛りが強くなっています。要は健康であることが条件になってきます。
以前の融資を通ったあとに体調を崩したり、病気になったりすると、健康状態がよくないという理由で新しく団体信用生命保険に加入できないケースも出てきます。
一般的には団体信用生命保険に加入することは条件付けとされているケースが多く、加入できない場合は借り換えするメリットがなくなってしまいます。
4、借り換えしない方がいいケース
金利が安くなれば借り換えした方がいいと思われる方は多いと思いますが、実は、借り換えしない方がいいケースもあります。
それは、残債が少なく、融資の期間も残り少ない人には、メリットが出にくいのです。借り換えは今の残債の一括返済で手数料を取られて、更に新しく借りる融資の手数料もかかります。このように諸経費が多くかかることによって、借り換えのメリットがあまりケースもあります。
よって、金利が安いということだけにつられるのではなく、きちんと返済シミュレーションをして、本当にメリットがあるのかについて試算しておきましょう。
5、借り換えのスキーム
では、借り換えはどのような流れになるのでしょうか。
借り換えのスキームは、基本新規で融資を受けるのと同じ流れになります。
まずは、本人の源泉徴収票や借入れに関連する書類を金融機関に渡して、「無料」にて事前審査を受けることができます。
弊社は、無料にて借り換えの相談をさせて頂いていますので、書類の準備などで分からない方がいらっしゃいましたら、ぜひ問合せしてみてください。
その後、審査が通りましたら、新しいローンの手続きが実行され、古いローンを一括返済して、新しいローンにて返済がスタートとなります。
6、不動産投資ローンの借り換えができる金融機関は少ない!
不動産投資ローンの借り換えを取り扱っている金融機関は少ないです。そのため、金融機関は借り換えローンの提携業者を厳しい基準で選んでいます。
つまり、借り換えの紹介ができる不動産会社は、金融機関からかなり高い評価を頂いているとのことです。
しかし、正直、借り換えを紹介しても不動産会社は儲かりません。借り換えができても提案してくれない会社も少なくありません。
従って、借り換えを提案してくれる不動産会社、担当者は、投資家の立場で提案をしていますので、信頼できると言えるでしょう。
7、借り換えの実例
ここで、実際に私が担当した借り換えの実例をご紹介します。
M様とは、物件の買い増しをしたいとのことで、知り合いの紹介で知り合いました。
(1)M様の属性
- ご年齢:27歳
- ご年収:1,000万円
- 勤務先:人材会社
- 独身
- 契約社員1年を経て、正社員になって半年
(2)所有している物件の月々の収支が「−10,000円」
M様は、契約社員の時に、付き合いのある不動産投資会社から
- 物件価格:2,500万
- 融資条件:SBJ 3.175%
の条件で物件を購入し、月々「−10,000円」の収支になっています。
(3)すぐには借り換えができず、2件目を購入
1件目の購入条件からみて、契約社員のときに購入したから、明らかに金利が高いことが分かります。
そこで、すぐに銀行に借り換えの交渉をしましたが、正社員になってまだ半年ということで、借り換えはできなかったのです。
しかし、銀行から日頃の弊社の業績を高く評価して頂き、2件目2,600万円の物件を買い増しすることができました。
(4)3件目の購入と同時に、1件目の借り換えができた
そこで、3件目の融資交渉のタイミングで、もう一回1件目の借り換えの交渉をしたところ、やっと交渉が成功し、金利は当初の「3.175%」から「2.2%」にと下げることができました。
また、3件目2,200万円の融資も無事審査が通りました。
(5)弊社に相談した結果
M様から弊社に相談した結果、「2,500万の物件1物件だけ所有し、月々の収支が−10,000円」から「3物件を所有するができた上に、月々+28,000円」の収支を得ることができました。
(6)いい条件で融資を受けるには、不動産会社の評価が重要
冒頭にも書きましたが、同じ金融機関でも、不動産会社に対する評価によって、融資の条件が大きく変わります。
M様が借り換えできたのも、3物件まで買い増しのできたのも、弊社が銀行に評価されているからだと思います。
どこの会社と付き合うかを検討する時に、ぜひ、融資条件も1つの判断基準に入れておきましょう。
8、アパートローンの借り換えをしたい!相談する先は?
融資緩和によりスルガ銀行などの地銀でアパートローンを利用して、一棟アパート投資を始めた方も少なくありません。
メガバンクと比較して地銀の審査基準が緩く、融資がおりやすかったというメリットがある一方、金利が高く設定されています。購入当初高い金利でもキャッシュフローが回っていたものの、築年数が古くなりにつれ家賃収入が下がり、キャッシュフローが悪化されたタイミングで借り換えを検討されている方が非常に増えています。
しかし、結論から申し上げますとアパートローンの借り換えは非常に厳しくなっています。スルガ銀行の不祥事によりアパートローンを対応する金融機関が一気に減ったのと、審査基準も厳しくなり、頭金3割が必要なケースがほとんどです。
つまり、数年前にフルローンで受けられたとしても、今の審査基準にはクリアできないケースが多くあると言えます。一部繰り上げ返済するとなった場合は、今のままの方がいい場合もあるし、余裕を持って売却することも一つの選択肢と言えます。
いずれにしてもご自身ではなかなか対応できない場合が多いので、一度専門家に相談してみるといいでしょう。