皆さんは今「新築に住んでいますか?」
この質問に対してほとんどの方が「NO」なのではないでしょうか?
首都圏では年間4万戸ほどしか新築は建たない為、ほとんどの方が中古物件に住んでいるという計算になるからです。
今回は投資用マンションにおける「新築VS中古」という時代から、「築浅VS築古」時代に突入した話をします。
不動産投資をお考えの方でどんな物件を選んだら良いのか悩まれている方は最後までお付き合いください。
1、新築の概念すら変わりつつある
以前の記事で「新築マンション投資?それとも中古?建て替えによるバリューアップの実例を紹介」にて「築浅」の概念は変わってきているという話をしましたが、価格面を見ても築5年以内は新築と売買価格の坪単価はほぼ変わらないというデータがあり、最近では築5年以内の好立地物件は新築扱いと言っても過言ではなくなってきております。
出典:東京カンテイ カンテイアイ104号
そして一昔前は、といっても15年以上前の話ですが、2005年当時の投資家たちは「新築は買った瞬間から価格が落ちる」と口を揃えて言ったものです。
企業利益や新築家賃設定を考えれば今でも近いことは言えますが、それでも現在は買った値段から2割3割急に下落するといった現象は起き辛くなり、好立地であれば「リセールバリュー」という表現をされますが、10年経っても購入時より20%以上高値で売却できたといった体験をされた方も多くいます。
特に中古マンションに関しては購入価格も相場で売却価格も相場ですから、買って売ってでも利益が出る方は多くいます。
逆に言うと新築は最初だけなので「新築を買う」ことには大きな意義はなく、新築にしろ中古にしろ「将来性」「稀少性」「需要」の三拍子が揃った物件を選ぶということが大前提になります。
自身が住むのであれば新築にこだわることも有りだと思いますが、不動産投資に関しては投資目的にもよりますが、新築という概念よりも上記の三拍子を意識した方が賢い選択と言えます。
特に現在の都心部は10年前20年前に比べると好立地の新築が建ちません。理由としては駅前に空き地は無く、なかなか好立地で売却に出ることもありません。
またワンルーム規制が区の条例で増えてきていて、コンパクトマンションの建設が困難になっていること、さらにコロナ渦の影響もあり、投資用不動産はより一層新築が建たない時代になりました(下図参照)。
そして新築供給が毎年減る中、築古物件の売買が盛んにおこなわれていることも注目すべき点です。こちらは後ほど触れたいと思います。
出典:東京カンテイ カンテイアイ104号
2、築浅物件のメリット・デメリット
新築VS中古という時代は終わったとこちらの新聞記事にも書かれていますが、現在では中古マンションにスポットを当てられており、中古マンションの中でも築浅と築古で比較されることが増えてきました。
出典:週刊住宅2020年8月3日付刊行
まずは築浅と呼ばれる物件のメリットとデメリットを説明します。
まず「築浅」物件ですが、以前記事にもしましたが概念はあやふやで、SUUMOのアンケートによると多くの方が「築10年以内」の物件を「築浅」とイメージしています。
■築浅物件のメリット
- 見た目が綺麗
- 長期的な融資を組みやすい
- 設備が充実していて入居者から好かれる
- 建設技術が高く耐震性や耐久性に優れている
■築浅物件のデメリット
- 価格が高い(新築とそこまで変わらない)
- 節税効果が少ない(減価償却期間が長い為)
- 築古物件に比べて立地が悪い物件も多い
3、築古物件のメリット・デメリット
続いて中古マンションの中でも築30年以上の築古マンションのメリット・デメリットをみていきます。
■築古物件のメリット
- 立地が良い物件が多い(駅前が多い)
- 価格が安いため売買がしやすい(流通量が今最も多い)
- 賃料が安い状態が続いている為、相場より安くなっており賃上げしやすい
- 建て替えによるバリューアップの恩恵を受けやすい
■築古物件のデメリット
- 設備や間取りが悪く、風呂トイレ一緒などで賃貸需要が低い
- 金融機関の融資評価が低く長期融資がひけない
- 賃料が低いまま売却すると売却値も低くなる
- 耐震性や耐久性に優れていない為、地震に弱い
このように築浅物件と築古物件とでは良いところもあるが、デメリットも同じくらいあることが多く、甲乙付けづらいと言えます。
この両方のメリットを余すことなく得ているのが、築6年以降築25年以内の物件に多く見られます。
新築ほど高くなく、立地も悪くなく、融資も長期的にひけて、風呂トイレ別の為、賃貸需要も高いという良いとこ取りの条件が揃っていると言えます。
こういった物件の運用中のアドバイスや売却時のアドバイスまで含めて、しっかりとサポートしてくれる不動産会社をパートナーにすることも不動産投資において重要なファクターと言えます。