不動産投資は、ただ闇雲に物件数を増やしていけばよいという訳ではありません。自分がどのような目的で不動産投資を行い、どの時点で目標達成とするかを決めておくことで成功する確率を格段に上げることができます。
目標は不動産投資をどのような目的で行うかによって変わってくるため、まず目的をはっきりさせてから目標を決める必要があります。
この記事では不動産投資の目的の決め方と、目的と目標をはっきりさせることのメリットなどについて解説していきます。
ぜひ最後までお読みになり、ご自身の目標と目的設定のための参考にしてみてください。
目次
1、不動産投資の目標と目的設定の重要性
冒頭で触れたとおり不動産投資の目標と目的をはっきりさせることで、不動産投資に成功する確率が高まります。
ここでは、不動産投資を行うにあたって目標と目的を設定しておくことの重要性について、解説していきます。
(1)不動産投資の目標を明確にする
まず、これから行う不動産投資による資産形成目標を具体的に設定しましょう。不動産投資をいつから始めていつまでにどれぐらいの資産形成を行うことを目標とするかを明確にしてから、不動産投資の計画を立てます。
具体的な資産形成目標を決めることで、目標実現のためにはいくらの収益物件を購入すればよいかといったことや、毎月の家賃をいくらに設定すべきか、融資はどの程度受けるべきかといった具体的な数値目標を決める必要があります。
この具体的な数値目標が実現可能なものかじっくりと吟味することで、自分が立てた不動産投資の資産形成目標が現実的なものであるか確認することができるようになります。
また不動産投資の目標と目的を明確にすることにより、目標を現実化するための具体策を考えるモチベーションが上がります。自己破産などのマイナス要素も想定しておくことで、リスクヘッジを行うことも可能です。
このように、現実的な目標と目的を明確にし綿密な計画を立て、リスクヘッジも行うことで不動産投資の成功率が高まります。
不動産投資の仕組みを下記動画にて解説していますので、ぜひ合せてチェックしてみてください。
(2)とりあえずスタートすると失敗率が高くなる
不動産投資を行う場合に、「まずやってみよう」という考えで始めてしまうと失敗する確率が高くなってしまいます。目標や目的を定めないまま不動産投資を始めてしまうと、どのような物件を購入すればよいかなどといった具体的な計画も立てられないためです。
不動産投資を行う目的には、所得税や住民税の節税、生命保険の代わり、他人資本の活用による将来のための資産形成、相続税対策、高利回り物件の購入による収入増加、転売などさまざまなものがあり、それぞれの目的によって選ぶべき物件や必要な費用が異なってきます。
不動産投資を始める前に目標や目的を明確にし、具体的なプランを立てることで失敗するリスクを低く抑えることができます。
2、不動産投資の目標を達成する投資方法を把握する
設定した不動産投資の目標を達成するためには、目的別の目標を達成する投資方法を把握しておく必要があります。
ここでは、不動産投資の目標を達成するための具体的な投資方法について解説していきます。
(1)他人資本を活用して安定した収入を得たい目的の場合
他人資本とは不動産投資の場合、銀行からの融資のことを言います。そのため他人資本を活用して安定した収入を得ることを目的とした場合、収益物件から得られる家賃収入と金融機関への返済額のバランスをよく考えておく必要があります。
常に家賃収入が金融機関への返済額を上回るように、収益物件の家賃設定や借入金額や返済期間などを決めるようにしましょう。
他人資本を最大限に活用したいと思う場合には、フルローンを組むことができる収益物件を購入することも念頭に置いておきましょう。
(2)相続税対策が目的の場合
不動産投資を行う方が高齢で、相続税対策を行うために不動産投資を始める場合には、相続対策に向いている物件を選ぶことが重要です。
相続対策として有効なのは実勢価格と相続税評価額の差が大きい物件を選ぶことが、より大きな節税効果を得ることができます。。
現金など時価で評価される資産を相続するより、不動産はその評価額を圧縮することができることから、非常に節税効果が大きいと言われています。遺産の額が大きい場合には、不動産を購入して相続するのも1つの選択肢として挙げられます。
不動産による相続税の計算方法について、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
(3)老後の年金代わりの収入対策が目的の場合
将来の年金の額に不安があるため家賃収入を年金代わりにしたいという方には、鉄筋コンクリート造の耐用年数が高い物件がおすすめです。また、立地は東京圏の利便性が高い物件であればさらに良いでしょう。
このような物件のうち、新築または築浅の物件を購入することで、長期に渡り安定した家賃収入を得ることができます。
また、老後にローン残債を残さないために繰り上げ返済を行うこともおすすめの方法のひとつです。
(4)売却益を得る目的の場合
不動産投資で大きな利益を出したいという場合には、転売を目的とすることが有効です。
周辺地域の発展を見越して築古の物件を購入し、リフォームやリノベーションを施して売却することで転売により大きな利益を得ることができる可能性が高くなります。
上記のような地域にある築古の物件を、購入後に上物を壊してコインパーキングにするなどの方法でアパート経営以外にも土地活用が可能な物件を選ぶとよいでしょう。
転売目的で不動産投資を始める場合に注意しておきたいのが、税金に関することです。
転売を行う場合には物件の所有期間が短くなることが一般的なので、所得税と住民税が高額になります
物件の所有期間が5年以下の場合には短期譲渡所得、5年以上の場合には長期譲渡所得とされ、税率が異なります。また計算方法も異なり、課税短期譲渡所得金額と課税長期譲渡所得金額はともに譲渡価格–(取得費+譲渡費用)–特別控除の式で求められます。
短期譲渡所得と長期譲渡所得の税率は以下の通りです。
所得税 | 住民税 | 合計 |
30% | 9% | 39% |
15% | 5% | 20% |
出典:No.3211 短期譲渡所得の税額の計算|国税庁 (nta.go.jp)、No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁 (nta.go.jp)
平成25年から令和19年までの間は、所得税に復興特別所得税として各年分の基準所得額の2.1%を合わせて申告し納付する必要があります。
長期譲渡所得および短期譲渡所得の特別控除については「No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁 (nta.go.jp)」」を参考にされてください。
投資不動産を高く売却するコツについて、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
3、不動産投資で失敗しないためのポイント
不動産投資を行う上で一番重要になるのは、信頼できる担当者を見つけることです。
不動産投資を進めるためには、不動産投資の目的や目標、それに合った物件探し、購入、入居者付けなどさまざまな点を相談する必要があります。
担当者に相談することで、重要な物事を決めるときに必要なアドバイスをもらうことができます。
そのため担当者は、高いスキルを持った信頼できる、自分と相性がいい人物でなければいけません。不動産投資のほとんどは長いスパンで行うため、担当者との付き合いも長期に渡ります。
その担当者が信頼に値する人物であるかしっかりと見極めることも、不動産投資を成功させるために非常に重要なポイントとなります。