先日、厚生労働省より2022年における、人口動態統計の月報年計が発表されました。その中で2022年における日本国内の婚姻率は過去最低の0.41%となり、離婚率も今世紀では最低の0.15%となったとの報告がありました。
結果にも現れている通り、近年は単身者の率が増加傾向にあります。
引用:東京都政策企画局「2060年までの東京の人口・世帯数予測について」
こちらは、2015年に東京都政策企画局から発表された2060年までの人口、世帯数の予測なのですが、単身世帯のみに焦点を当てると、2035年には50.4%と50%を超え、約2人に1人が単身世帯という予想がされております。
参考:横浜市 令和5 (2023) 年 世帯人員別世帯数 (住民基本台帳による) 横浜市の世帯人員別世帯数 (2023年) から筆者が作成
こちらは、令和5年に横浜市から発表された世帯人員別世帯数なのですが、単身世帯は総数の44%を占めております。
また、国勢調査における川崎市の2020年における単身世帯の割合も45%以上を占めており、既に都心と呼ばれる地域の世帯数に占める単身者の数は非常に高いことが分かります。
マンション経営において重要になるポイントが、空室期間をどれだけ短くできるかです。
入居者から家賃を、運用を回していくのが不動産運用という商品なので、入居者がいなくなってしまうと運用が計画通りに回らなくなる可能性があります。
空室期間を短くするために必要なことは、「入居者にとって魅力的な条件のマンションを選ぶ」ということです。
例えば
- 職場や大学などに通いやすい都心に近く、最寄り駅まで徒歩10分以内で行ける立地にあること
- コンビニやATM、クリーニング店など日常的に単身者が利用する施設が周辺にあること
- 再開発計画やインフラ整備などの予定がある地域の将来性
などがあげられます。
単身者率が増加傾向にある都心の立地で、単身者が好みやすい条件を備えたマンションを所有することが、運用のキーポイントです。
さらに、単身者用マンションが投資用に向いている理由がまだあります。
例えば、お部屋の修繕面を考えると、単身者用はファミリータイプに比べて設備の消耗がゆるやかな傾向があります。
専有部分の設備の経年劣化・通常損耗はオーナ様が負担するので、長持ちする傾向にある単身者用の設備ですと、修繕費用を抑えることができます。
時期、新型ウイルスによって都心からの人口流出が止まらないなどの報道や、リモートワークを取り入れる企業も多くなり、投資用目線でも入居者目線でも、単身者用マンションの必要性を感じないと考えられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、自治体が算出している数値にもある通り、単身者の数はこれからも増加傾向にあり、単身者用マンションの需要が著しく低下することは考えにくいのかもしれません。
このような目線からも、不動産運用を考えるきっかけにしていただければ幸いです。