かんぽ生命の過剰ノルマと契約者に対する不利益な契約が発覚し、連日世間を騒がしました。金融庁などからの停止命令は4月に解除されるのですが、それでもかんぽ生命を販売するゆうちょグループは販売の再開を見送る方針だそうです。
被害者は増えていく一方で、現在では約9万家にも上ると言われています。
しかし、保険商品の仕組みは難しく、実際に今回の不祥事はなんで起きたのか、何がいけなかったのかについてなかなか理解ができていない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の問題を簡単にまとめどうしたらこのような被害を避けることができるのかをまとめてみたので参考にしていただけると幸いです。
目次
1、今回の不祥事の内容とは?
今回の不祥事はいったいどのような内容でしょうか?
2019年6月に郵便局の職員が高齢者に対して、契約を強引な形で不利益となる保険の乗り換え契約が次々と発覚しました。不利益を被った契約が2万3,900件にも上ると発表されました。
更に、今回の件が発覚することによって、今回の件とは別に、半年以上にわたり新旧保険料を二重に支払っていた事例が約2万2,000件あることも判明し、顧客軽視の営業実態が浮き彫りとなりました。
次々と追加の調査結果が発表され不利益を受けた恐れのある契約が合計9万件にも及ぶということが判明しました。
こうした事態を重く見た金融庁はかんぽ生命に業務改善命令などの処分を下した。
2、このようなことになった根本的な要因とは?
では、なんでこのような事態になったのでしょうか?
かんぽ生命は従来、養老保険など貯蓄性保険を主力としてきたのですが、低金利などにより販売が低迷続いたため、2017年10月には商品政策などを行い、商品転換を本格化しました。
そんな中で、販売の最前線を担う郵便局員に問題が発覚した。
問題の内容としては、新旧保険の二重契約による保険料二重負担、旧保険から新保険への切り替えする際に、意図的に設けられた無保険期間が挙げられる。
(1)二重契約
1つ目の二重契約に関してですが、既存の保険契約を、新しい契約に乗り換えても営業ノルマのポイントにならないという社内ルールがあり、古い契約もそのまま残し7か月目に解約をさせるという手口です。
なぜならば、6か月以内に解約をされると新しい契約が新規分としてカウントされないからです。
結果的には、契約者が保険料を二重で負担する事態となります。
(2)無保険期間
2つ目は先に今までの契約を解約させて、そして、4か月経ってから新たな契約を結びます。
社内ルールにより、解約後3か月以内の新契約はノルマにカウントされないからです。
この場合、無保険期間が生じて尚且つ高齢の方で病気にかかり新たな契約が結べない事態が続出しました。
3、保険の仕組みで中々発覚しにくい?
そもそもこれだけ多くの件数があったにもかかわらず、なぜ問題発覚が遅れたのでしょうか。
それはやはり契約者側は「商品の仕組みについて把握していない」ことが挙げられます。
- 自身がどんな状況になった時に保険金がもらえるのか
- いくら入るのか?保障額は足りているのか?
- 保障期間はいつまでになっているのか?
などしっかりと把握することが重要です。
なお、商品の仕組みを確認する時は、人生のリスクに基づいて下記のポイントを押さえるようにしてください。
- 亡くなった場合
- 働くことができなくなった場合
- 入院・手術
- 三大疾病
上記の保障がカバーされているか必ず確認してみてください。
保険に入っているものの亡くなった場合だけが手厚く、それ以外がカバーされていないなんてことも多々見受けられます。
4、被保険者がこのような損害を回避する方法はあるの?
最後に、被保険者がこのような損害を回避する方法をご紹介します。
(1)商品の仕組みについて把握すること
まずは自身がどのような商品に入っているかを確認することです。
上記「3、保険の仕組みで中々発覚しにくい?」で紹介したポイントを実践してみてください。
(2)二重契約の回避方法
2つ目は保険料の重複を回避する方法です。
新契約の料金の発生は翌月からとなりますので、新契約が成立後に既契約を解約することにより二重に負担しなくても済みます。
その場合は、しっかりとその時期やタイミングを担当者と確認したうえで、新しい契約の準備や既契約の解約を進めましょう。
(3)無契約期間の回避方法
これに関しては何といっても無保険期間が無いようにすることです。
一般的には新契約の契約が完了してから、既契約の解約手続きをする流れになりますので、先に既契約をすすめられた場合は注意するようにしてください。
ちなみに、過去の病歴などから新契約に加入できない可能性もありますから、くれぐれも新契約の加入を確定したタイミングで、既契約の解約をすること覚えといてください。場合によっては一生新保険に加入できなくなる恐れもあること認識しておきましょう。