K様は知り合いの紹介で、相続でご主人から継承した収益ビルの修繕のご相談で出会えました。
今の収益ビル2棟のうち、1棟が非常に老朽化していたため、収益を上げる施策として、修繕がいいのか、建て替えがいいのかの相談を受けました。
1、面談結果
面談した結果、「建て替えではなく、大規模修繕」ということになりました。
なぜ、こちらの結果になったか、以下にて説明していきます。
2、ご相談者の属性
K様の属性は以下のとおりです。
- ご年齢:57歳 女性
- お仕事:会社経営
- ご年収:3,500万円
- 既婚(死別)
- 相談内容:老朽化した収益ビルの収益を上げるための施策
3、私の提案内容
実は、K様は私に相談する前に、別の不動産会社とも相談をしていたのですが、その時は建て替えを提案されたそうです。
(1)建て替えと大規模修繕の費用の比較見積りの提出がなかった
別の不動産会社に相談された時、担当者から建て替えた方が
- 今後の収益を今までの倍以上に高めることができる
- 新築物件は空室リスクを最小限におさえられる
など、新築物件のメリットを並べられました。
K様もご主人から相続で継承した収益ビルであるため、今まで経営した経験もなかったため、新築物件の方がいいと感じていたようです。
なんと言っても、物件の建て替えと修繕する場合の比較見積もりを出されていなかったようで、K様には選択肢を与えなかったのです。
(2)現状の入居状況から大規模修繕がベストな選択
今回老朽化したビルは、建物自体は老朽化しているものの、立地がよく、ほとんど満室の状態で運営していました。
つまり、現状の賃貸状況等を考えると、退去してもらうこと自体もかなり労力がかかることで、建て替えるよりも大規模修繕という形で対応することがいいと私が判断したのです。
当然、改修工事よりも新築工事を受注した方が、売上数字が違うわけですから、建て替えをススメたくなる気持ちも分かりますが、退去などを考えると、K様はかなり損失を負うことになりました。
4、担当者からの一言
今回は私に相談して、失敗を免れた相談実例をご紹介しました。
営業マンは売上をあげる義務があります。
しかしながら、コンビニでお菓子を買うのとはわけが違うのが不動産です。
さらに開発案件となれば、数十億というお金が動くことになりますので、お客様の状況に寄り添うことが大切であるわけです。
優秀な営業マン(エージェント)と巡り会うことは偶然かもしれませんが、今は選ぶこともできる時代。
面倒臭がらずに自分から情報を取りに行きましょう。