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入居者が決まらなくて、悩まれているオーナーさまも少なくないのでしょうか。

物件を購入される前に、この物件なら賃貸が決まりやすいというウリ文句を聞いたことがある方も多いと思いますが、ずっと物件管理をやらせて頂いている私の場合、オーナーさまに賃貸経営していく上で、決まりやすさではなく、

「いかに高い賃料で契約に至るか」
「いかに決まりやすいように演出するか」

の2つの条件が最も重要だと思っています。

今回は、その理由について記事にて詳しく書いていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1、物件における不変要素

最初に、物件における不変要素、つまりオーナーさまの努力によって変更することができない要素のことを指します。

  • 築年数
  • 部屋の広さ
  • 駅からの距離
  • 立地
  • セキュリティ

これらは入居者の物件決定の要素としてよく挙げられます。

人によって重要とされるポイントによって異なる場合もありますが、一般的にはそれぞれの要素のどれかだけ優れていても、必ず決まるというわけでもありません

例えば、築年数が新しくても、4畳半しかない部屋だったら、決まりにくい物件にもなり得ます。駅から近いが、自主管理でセキュリティはほとんどない物件だったら、なかなか入居が決まらない可能性も高いと言えます。

しかし、これらの不変要素を1つでも多く持つ物件は、入居希望者を引き付ける物件である事は確かですので、中にはその1つだけ絶対条件にしている人にあたった場合、すぐ入居決定になることもありうるのです

所有する物件の価値判断やこれから購入を検討する際の基準にもなるのではないでしょうか。

2、不変要素からして決まりやすい物件とは?

続いて、前述した不変要素から、決まりやすい物件の条件を詳しく書いていきます。

日頃から物件の賃貸管理をさせて頂いている私は、入居が決まりやすい物件は、以下3つの条件に該当する物件だと思っています。

(1)強烈な長所のある物件
(2)バランスの良い物件
(3)希少性の高い物件

それぞれ詳しく見ていきます。

(1)強烈な長所のある物件

  • 新築
  • 駅徒歩1分
  • 20畳のワンルーム

など、一つの要素で強烈なインパクトを与え、それだけで決定打となるような長所を持つ物件です

(2)バランスの良い物件

ここでいう「バランス」とは家賃・部屋・立地の3要素のバランスを指します

通常、賃貸に出す物件の家賃は周辺の相場に基づきます。相場は主に「土地の値段」と「部屋の広さ」をベースに、築年数や構造、設備などの要素も査定要素として加えて最終的に賃料を決定します。その中で、特に築年数は賃料に大きく影響します。

この相場よりも低い賃料で設定された物件は、「安い物件(バランスの良い物件)」となります

(3)希少性の高い物件

(1)強烈な長所のある物件」と近しい要素でもありますが、物件そのものではなく相対的な評価によるところが大きい為、別枠として挙げました。

例えば、

  • 単身マンションの多い地域にあるファミリー物件
  • オフィス街にある居住用物件
  • 都心部で駐車場、バイク置き場のある物件

などは希少性の高い物件と言えます。

しかし、逆に言えば、エリアの賃貸ニーズに合ってない物件とも言えますので、競合少ないが、賃貸ニーズ高いとは言えないというデメリットも挙げられますので、総合的に評価する必要があります

3、物件以外の可変要素

物件の不変要素でより多く有利な条件を持つ物件を持っていればいいのですが、そうじゃない物件を所有している方も多くいらっしゃるでしょう。

ここで言いたいのは、所有する物件が決まりやすい要素があるから良し。決まりやすい要素がないからだめというわけではないのです。

冒頭にも書きましたが、賃貸経営においては

「いかに高い賃料で契約に至るか」
「いかに決まりやすいように演出するか」

が重要なポイントになります。

(1) 賃貸ニーズ高い物件は高い賃料を狙うことがポイント

強烈な長所がある物件、希少性の高い物件は、相場よりどれだけ高い賃料で賃貸に出せるかを見極めることがポイントです。

というのは、賃貸ニーズが高いから、賃貸に出せるのは当たり前の話で、オーナーの収益を上げるにはいかに賃料を高くすることが大切です

ここのポイントは、可変要素にかかっています。

例えば、家具一式をつけたり、浄水器をつけたりなど、オーナーのちょっとした工夫次第で、賃料を高く設定するポイントを作ることができます。

(2)不変要素が少ない物件は演出が必要

不変要素が少ない物件の場合、家賃の見直しもそうですが、手を加えられる範囲で決まる要素を増やしていく事でバランスの良い物件にすることができます。

具体的な「4、入居率が悪い物件の改善案とは?」を参考にしてみてください。

4、入居率が悪い物件の改善案とは?

最後に、決まる要素の少ない物件について、どうすれば決まりやすい物件にできるのかをお話させていただきます。

(1)家賃を相場よりも安く設定

一つは、家賃を相場よりも安く設定することです。

これは誰でも思いつきますし、効果もあります。しかし、オーナー様にとって資産価値の最大化とはならないので、私自身おすすめはしません

(2)募集条件(家賃以外)に魅力を持たせる

二つ目に、募集条件(家賃以外)に魅力を持たせることです。

分かりやすいところで言うと、礼金を下げたり、初月家賃を無料(フリーレント)にしたりです。他にも客付け会社に紹介料を出したりといった事も挙げられます。

抵抗のあるオーナー様もいらっしゃるかもしれませんが、何か月も空室の状態を続けるよりは、こういった施策ですぐに入居者を決定させた方が、最終的には最大利益となるケースがしばしばです

(3)物件に付加価値を持たせる

三つ目は、物件に付加価値を持たせる、もしくは短所を補うことです

古い物件をリフォームしたり、元々はついていない独立洗面台を設置したり、通り沿いの部屋の庭に目隠しの庭木を植えたり、幹線道路沿いの物件の窓を二重サッシに変えたりなど、物件に少し手を加える事で決まる要素をプラスしていく、もしくはマイナス要素を消していくといった形です。

募集賃料とのバランスを見ながら小修繕をしていく事で先々に最大利益に繋がります

まとめ

今回は、決まりやすい物件をテーマとして述べてきましたが、しかし、一番重要なのは物件が持てる長所を引き出し、最大限のパフォーマンス(賃料収益)を発揮させることです。

これから物件の購入を検討されている方は、きちんと物件の長所、希少性などの観点で物件選びをすると良いかと思います。

また、現在持たれている物件を賃貸に出されるオーナー様は、適正な賃料はどのくらいなのか、効率良く入居者を集めるにはどうしたら良いのかなどの点を踏まえ、不動産会社からの提案を見極めるといいのではないでしょうか。