政治、経済の混乱、そしてインフレに強い投資商品と言われている「金」。今回の新型コロナウイルスの影響を受け、不透明な市場環境の中で、金の投資に人気が集まっています。
個人だけではなく、中国を始めインドなどの新興国も国として、金を大量に購入していることもあり、実は金は非常に人気の高い投資商品であります。
なお、一言「金」と言っても、金地金・金貨など金そのものを投資する商品もあれば、投資信託、先物など様々な投資方法もあります。それぞれの投資商品にメリット・デメリットがありますので、把握した上で商品を選ぶ必要があります。
そこでこちらの記事では、金(ゴールド)投資の種類、それぞれの特徴、メリット・デメリット、始める際の流れ、オススメしたい人などについてまとめました。これから金(ゴールド)投資を検討されている方は、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
1、金投資は大きく4種類がある
サラリーマンが資産形成に対する考え方などについて、八木チエの「不動産投資の女神チャンネル」の動画にて分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
金投資には大きく下記4つの種類があります。
- (1)純金積立
- (2)金ETF(上場投資信託)
- (3)先物投資
- (4)金地金・金貨
では、それぞれについてみてみましょう。
2、純金積立
まずは純金積立から見ていきます。
(1)純金積立とは
純金積立とは、一定の金額を毎月積み立てていき、その時の価格で純金を購入していく投資方法です。毎月の価格が変動しますので、金の価格が安ければ多く購入ができて、高くなると購入できる純金が少なくなるのが特徴です。
田中貴金属の純金積立は代表的な商品として挙げられます。
(2)純金積立のメリット・デメリット
続きまして、純金積立のメリット・デメリットを見てみましょう。
①純金積立のメリット
純金積立のメリットは、なんと言っても1,000円からという少額から積み立てることができるところです。スタートするハードルが低く、自分のタイミングで始められます。
また、ボーナスなどまとまったお金が入ったタイミングで、スポット購入することもできますので、金の価格が下がった時にまとめて購入することもできます。
純金積立の2つ目のメリットは、ドルコスト平均法を活用して、平均購入価格をおさえることができることです。金の価格は常に動いています。毎月積み立てる金額を固定していれば、金の価格が変動しても平均買付価格をおさえることができるのが大きなメリットと言えます。
②純金積立のデメリット
一方、純金積立のデメリットとしては
- 買付時の手数料:2.0%
- 売却する時の手数料:1.5〜3.0%
- 年会費:0〜3,000円程度
など、手数料が高くなるケースが多いことに注意する必要があります。売却などの際に手数料を入れたら損をしてしまうケースもありますので、売却手数料も忘れずに計算するようにしてください。
中には引き出し手数料までかかる会社もありますので、事前に手数料などについて確認するようにしましょう。
2つ目のデメリットは、金は株式投資などの金融商品のように配当はつきません。毎月積み立てることに金を増やす手法になります。
また、純金積立の預かり形式にも注意する必要があります。
会社が純金と他の資産と区分して保管し、保証してくれる「特定保管」方式を採用している会社と、金の所有権を個人の投資家から取り扱う会社に移転する「消費寄託」方式を採用している会社と大きく2つに分かれています。
「消費寄託」方式の場合は、万が一会社が倒産しても返還請求の権利は残っているものの、積み立てた純金は100%戻ってくる保証がないこと事前に認識しておく必要があります。
(3)純金積立を始める時の流れ
実際に純金積立を始める時の流れを見てみましょう。
純金積立は貴金属会社、商社、証券会社、銀行などから口座を開設してスタートすることができます。
なお、どこで口座開設するかを検討する際に、
- 口座開設費
- 年会費
- 購入時手数料
- 売却時手数料
などの諸経費を比較することが大切です。
よく耳にする田中貴金属にて直接口座開設することもできますし、楽天証券、SBI証券、マネックス証券などの証券会社にて口座開設することもできます。
(4)純金積立をオススメしたい人
純金積立はまとまった金額の投資をする必要がなく、毎月1,000円〜の少額からスタートすることができることから、長期に渡りコツコツと金投資を継続していく人にオススメしたい商品です。
3、金ETF(上場投資信託)
続きまして、金ETF(上場投資信託)について見ていきます。
(1)金ETFとは
金ETFとは、金の価格に連動する上場投資信託のことを言います。株式投資と同じようにリアルタイムにて取引することができるのが特徴で、大体5,000円程度から投資できる銘柄もあります。
(2)金ETFのメリット・デメリット
金ETFは口数単位で取引を行われており、銘柄によって異なりますが、「1口」または「10口」から購入することができ、比較的に少額からスタートできることがメリットと言えます。
また、金ETFは現物の取引ではないため、取引手数料が安く、保管料もかからないのがメリットと言えます。
一方、金ETFも純金積立と同じように、金の価格は日々動いているため、配当や利息を生み出す投資商品ではないため、株式のように配当はほとんど出ません。年に1回配当をする銘柄もありますが、ほとんどゼロ円となっています。
また、株式、REITなどのETFの信託報酬は0.1〜0.2%と比較して、金ETFの信託報酬は0.4〜0.5%と高くなっているのもデメリットと言えます。
(3)金ETFを始める時の流れ
金ETFは株式同様に証券会社にて口座を開設して、購入する流れになります。
東証に上場しているETFであれば、全ての証券会社から購入することができます。証券会社の手数料などを事前に比較して、選ばれるといいでしょう。
(4)金ETFをオススメしたい人
金の現物ではなく、ファンドなどに強い方にオススメしたい商品です。
4、先物投資
金の先物投資について見ていきます。
(1)金先物投資とは
先物投資とは、将来の金の価格で投資することです。
例えば、1年後に金1kgを6,000円で買う、もしくは売却する」ことを約束し、取引を行います。買いから始めてもいいし、売却から始めることもできます。
取引の担保として証拠金を預託して取引します。
(2)金先物投資のメリット・デメリット
金先物投資のメリットは、少ない自己資金をレバレッジ効かせて多くの利益を得ることができます。
一般的には先物投資の場合は、証拠金の20倍以上のレバレッジを効かせることができます。例えば、20万円の証拠金を預け入れすれば、400万円以上の金の取引をすることが可能です。金の価格の動きを狙って、大きく利益をあげるには適している投資方法です。
一方、デメリットとしてはレバレッジを利かすことができる反面、損失も大きくなる可能性があります。基本的には将来の値動きを予想しながらの取引となりますので、レバレッジをかけすぎずに徐々に動きを読むスキルを身につけるといいでしょう。
(3)金先物投資を始める時の流れ
金先物投資は先物取引会社、証券会社にて口座開設して、スタートすることができます。
手数料などについては証券会社によって異なっていますので、事前に比較して選ばれるといいでしょう。
(4)金先物投資をオススメしたい人
金先物投資は少ない自己資金でレバレッジを効かせて大きく利益を得ることはできますが、ハイリスクハイリターンの投資方法でもありますので、先物投資にある程度スキルがある方にオススメしたい投資方法です。
5、金地金
最後に金地金について見ていきます。
(1)金地金とは
金地金とは、金の延べ棒を購入するイメージで、現物の金を投資する手法です。
(2)金地金のメリット・デメリット
金地金のメリットはグラム単位から購入することができ、投資できる金額に合せて購入することができます。
2つ目のメリットとしては、5年以上所有すると、売却する際に売却益が出たとしても、譲渡益の1/2まで減額することができます。
現行税法上では、売却益の50万円以下は非課税となっています。例えば、売却益が150万円の場合は、50万円の非課税枠を差し引いて、残りの100万円に対して給与などの所得と加算して課税されることになります。
一方、5年以上所有していれば、100万円の利益を50万円と半分になり、更に50万円の非課税枠を利用すれば、税金ゼロ円で全額を利益として得ることができます。
節税という観点でも、メリットが大きいと言えます。
一方、デメリットとしては現物である金の保管です。自宅に置く場合は盗難のリスクをおさえるには金庫が必要になります。銀行などに保管してもらうのも、販売会社に保管してもらうのも手数料などのコストがかかります。
(3)金地金を始める時の流れ
金地金は金そのものを購入することになりますので、現物の金を販売している会社から購入することになります。販売会社としては田中貴金属、三菱マテリアルなどが挙げられます。
(4)金地金をオススメしたい人
金は時価の価格で購入することになりますので、数十万円、数百万円とまとまったお金を持っている方にオススメしたい投資方法です。
6、ご自身の状況に合った投資方法を選ぶ
ここまで読んで頂いた方は、一言金投資と言ってもいくつもの投資方法があることをわかって頂けたでしょう。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、商品の仕組み、特徴などをきちんと把握し、ご自身の状況、得意とする分野で最大限の利益を得られるようにしましょう。