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昨今のコロナ禍で住み替え需要増加や、相続税対策などで賃貸経営を考えている方が増加しています。

賃貸経営を考えている方にとって、サブリースは検討するうちの一つだと思いますが、トラブルになっているケースも珍しくありません。

そのような中、トラブル防止のため、2020年12月サブリース新法が施行されました。

今回はサブリース新法の説明や従来との違い、締結時の注意点などについて解説します。

1、サブリース新法とは?新法が施行された背景について

賃貸経営を考え上では「サブリース」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。

ただ、「名前は聞いたことあるけど内容はわからない」という方へ簡単な解説と施行された背景について解説します。

(1)そもそもサブリースとは?

サブリースとは、転貸のことです。アパートやマンションなどを所有するオーナーが、サブリース業者へ一棟丸ごと貸して、賃借人の有無に関係なく決められた賃料を受け取ることができるシステムです。

もちろん、決められた賃料から手数料を支払う必要はありますが、賃借人の有無に関係なく一定の収入が見込めることや管理を一括してお願いできるメリットがあります。

メリットが目立つサブリースですが、もちろんリスクもあります。将来的に決められた賃料が変わる可能性や、オーナー側の解除の申し出には正当な理由が必要な点です。

サブリースの仕組みなどについて、詳しくな下記の記事を参考にしてみてください。

サブリースあり?不動産投資でサブリースを活用するために知っておくべき4つのポイント

(2)施行された背景

施行された背景は、オーナーに対して不利益なリスクを説明せずに契約をし、トラブルになるケースが頻発したためです。

メリットだけでリスクを説明しなければ、トラブルになるのは当然のことでしょう。

そのためサブリース新法は202012月に施行されました。

サブリース新法はサブリース業者への規制を行い、トラブルを防止する目的で施行されました。次に従来のサブリースと新法の違いについて解説します。

2、従来のサブリースと新法との5つの違い

サブリース新法は、従来と5つの違いがあります。サブリース業者に対して課せられている5つの項目について解説します。

(1)誇大広告等の禁止(法第 28 条)

サブリース業者は、サブリース契約の募集広告をする場合、メリットだけを強調することやリスクを小さく見せる表示をしてはいけません。

例えば、契約期間内に決められた賃料見直しの可能性があるのに「契約期間内の賃料は必ず保証します」などと広告することです。

実際の内容と大きく違った広告は禁止されています。

(2) 不当な勧誘等の禁止(法第 29 条)

サブリース業者は不正確な情報を伝え、勧誘してはいけません。

例えば、将来的に賃料が減額する可能性をあるのに「弊社のサブリースは賃借人が確実に入るので、将来的に家賃は下がることはない」などと伝え、強引に勧誘する行為です。

あえて事実を伝えないことや嘘を伝えることは禁止されています。

(3)契約締結前における契約内容の説明及び書面交付(法第 30 条) 

サブリース業者は、契約締結前にオーナーに対して十分に理解してもらえるよう、説明や書面を交付しなければいけません。

賃貸経営の経験があっても、知識にあまりないオーナーは意外に多いです。オーナーが契約内容をしっかり把握し、熟考するまでの期間として1週間程度が望ましいと言われています。

(4) 契約締結時における書面交付(法第 31 条)

契約後もオーナーが契約条件を確認できるよう、サブリース業者は契約締結時にオーナーへ必要な項目を書面にして交付する必要があります。

書面の交付により、双方の認識の違いによるトラブル発生を防止しています。

(5)書類の閲覧(法第 32 条)

サブリース業者は業績や財務状況に関する書類を営業所で保管する必要があり、オーナーから求められた場合は閲覧する必要があります。

業績や財務状況の確認は契約の重大な判断材料になります。

ただ、決算書や業績に関する書類は専門的な知識も必要なため、税理士など専門家が同席した上で確認することをおすすめします。

参照:国土交通省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン

3、サブリース新法に違反した場合の罰則規定

罰則規定は先ほど紹介した5つの項目によって分かれますが、下記の罰則があります。

  • 6月以下の懲役若しくは 50 万円以下の罰金、又はこれを併科(法第 42 )
  • 50 万円以下の罰金(法第 43 )
  • 30 万円以下の罰金(法第 44 )

また、罰則と合わせておサブリース業者へ業務停止命令や、勧誘停止命令などの行政処分もあります。

4、サブリース契約をする際の注意点

サブリース新法の施行でトラブルは起こりにくくなりましたが、契約するときは十分注意する必要があります。

いくらサブリース業者がしっかり説明していても、オーナーがしっかり理解していなければトラブル発生の可能性は高くなってしまいます。

そこでここでは契約する際の注意点をお伝えします。

下記の4つは特に重要な項目ですので、契約する前にしっかり確認し、理解をしましょう。不明点があれば、必ずサブリース業者へ質問することをおすすめします。

(1)契約期間に関する内容

契約の始まりと終わり、期間について確認することはもちろんですが、契約の種類についても注意が必要です。

契約の種類は「普通賃貸借契約」「定期賃貸借契約」の2つがあります。

①普通賃貸借契約

契約期間の満了と共に契約更新できる契約です。

例えば、サブリース業者に対して不信感が募り、契約満了時に更新拒否を求めても正当な理由がないと契約は終了できません

サブリース業者から更新申請があった場合には、応じる必要があります。

②定期賃貸借契約

契約期間満了よって更新されることなく終了する契約です。

例えば、業者の変更を検討していなくても定期賃貸借契約の場合は、契約期間満了で契約は終了します。

もちろん双方の合意があれば改めて契約することはできます。

③普通賃貸借、定期賃貸借どちらがよいか?

サブリースにおいて定期賃貸借契約のメリットは、サブリース業者からの賃料の減額請求を断ることができる点です。

普通賃貸借契約の場合は、たとえ契約条項に決められた賃料が保証される記載がある場合だとしても、サブリース業者から賃料の減額請求は可能となります。

ただ、定期賃貸借契約の場合は基本的に契約期間中、双方共に解除は不可となります。

ご自身の優先する条件によって契約の種類は検討する必要があります。

(2)家賃に関する内容

賃料の額や支払時期などを確認すると共に、契約期間中の賃料減額の有無、賃料改定されるタイミングなどを確認しましょう。

さらに、免責事項については注意が必要です。免責事項とは、サブリース業者が入居の募集で一定の時間がかかることを理由に、オーナーへ賃料支払いしなくてもいい事項です。

家賃は賃貸の経営に大きく影響がありますので、必ず確認しましょう。

(3)維持修繕費用に関する内容

維持修繕の費用について、どこまでの部分をオーナーが負担する必要があるのか注意が必要です。

サブリースで管理を全てまかせているからといって、入居修繕費用負担はオーナーには関係ないと考えていると、高額の修繕費用を支払うことになる可能性があります。

費用負担内容をしっかり確認し、トラブルを防ぎましょう。

(4)解約条件やペナルティなどに関する内容

契約を解除するためには、オーナー側の正当な理由が必要となる場合や多額のペナルティ支払いの可能性があります

中途解約する可能性あれば、契約書に中途解約を認める条項を入れてもらうことも一つの手です。

いざ契約するという時に解除のことまで考えられないと思うかもしれませんが、とても重要なことなので注意しましょう。

また、消費者庁がサブリース契約を検討中の方へ向けた作成したチェックシートがありますので、参考にしてみてください。

参照:消費者庁「賃貸住宅(サブリース方式)の契約を検討する方へ

サブリースについての注意点などについて、下記の記事をあわせてチェックしてみてください。

サブリース契約の落とし穴|「任せて安心」を過信しない賃貸経営術とは?!

家賃保証(サブリース)と集金代行どちらが正解?不動産投資を15年以上経験するプロが教えるお得な選択とは?

5、サブリース契約に適している方

注意点の多いサブリース契約ですが、空室リスクが抑えられるメリットがあるため、適している方もいます。下記のような方が適しているでしょう。

  • 賃貸経営の知識がなく業者に全て任せたい方
  • 本業が忙しくて賃貸経営に手が回らない
  • 遠方に住んでいて、管理が難しい方

ただし、本記事で記載した注意点をしっかり確認し、理解した上で契約を締結しましょう。

なお、サブリースについて下記動画にもわかりやすく解説していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。

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まとめ

今回はサブリース新法の説明や従来のサブリースとの違い、締結時の注意点などについて解説しました。

サブリース新法が施行されたことによってすべてのトラブルが防止されるわけではありません。

一番重要なのはオーナーである皆様がしっかりサブリースの契約内容を理解することです。

サブリース業者の説明をしっかり理解した上でサブリース契約を締結し、安心した賃貸経営を行いましょう。