今年も確定申告の時期がやってきました。不動産所得がある方は、確定申告に向けて忙しくなる方も多いのではないでしょうか。
不動産所得を赤字にすることによって、確定申告して給与所得などの所得と損益通算して、払いすぎた税金の還付を受けることができます。これが、不動産投資は節税できる仕組みと言われています。しかし、正しい方法で正しく節税しないと、それが脱税になり、税務署から税務監査される可能性があることを認識しておく必要があります。
こちらの記事では、「節税」と「脱税」の違い、不動産所得がある時の確定申告をする際に、注意すべきポイントについて解説していきます。これから確定申告をされる方は、ぜひ最後までお読みください。
1、不動産投資で節税する仕組みは?
まず最初に不動産投資で節税する仕組みについて理解しておきましょう。
会社に勤務されているサラリーマンの方は、普段給与から所得税などの税金を天引きされるので、自分の給与額に見合った税金が引かれています。日本は累進課税制度を取っているため、要は稼げば稼ぐほど税率が高くなり、給与が上がったのに手取り金額はほとんど増えていない、中には減ってしまう方もいるのは、ここの税率が関連しています。
なお、日本の税法には、
- 不動産所得
- 事業所得
- 譲渡所得
- 山林所得
上記4つの所得において、損益通算することができる所得になっています。
損益通算とは、例えば不動産所得が赤字になった場合、それを給与所得などの所得と通算することができ、合計所得金額を下げることができます。それを確定申告することによって、払いすぎた税金の還付を受けることができます。
例えば、給与所得が600万円があった場合、不動産投資で50万円の赤字を出した時、それを損益通算することによって、本来600万円に対して支払っていた税金が550万円で計算しなおしされて、確定申告をして還付受けることができます。
これが不動産投資で節税する仕組みです。
2、「節税」と「脱税」は違う
「節税」と「脱税」は紙一重です。中には節税をしたい一心で脱税になってしまった方も多いです。
不動産所得で税金を抑える時のポイントは、いかに不動産所得を安くおさえることです。その方法としては、不動産経営に関連する経費を漏らさずに計上することです。
しかし、中には無責任な担当者、不動産に詳しくない一部の税理士もいますが、「不動産経営に関係していない経費も計上していいよ」という、間違ったアドバイスをするケースもあります。
ご自身の飲食などの交際費を経費として計上すると、これは脱税行為にあたります。
では、どのような経費は不動産経営の経費として認められるのでしょうか?
大きく以下のような経費が挙げられます。
- 固定資産税などの税金
- 管理費
- 火災保険
- 地震保険
- 融資返済の金利
- 仲介手数料
- 修繕費
- 減価償却費
など。不動産経営で計上していい経費についてより詳しく知りたい方は、下記確定申告について解説している動画よりチェックしてみてください。
3、税務署の方は税金のプロ
税務署の方は税金のプロです。税務監査に来なかったからバレてないと思って、安心する方も多いようですが、実は税務署でバレていても、税務監査に来ないパターンもあります。
収入が低いからしばらく放置する、お尋ねの流れでちょっと探りを入れるなどいくつかのパターンがありますが、中に一番怖いのは「バレているけど泳がされる」のパターンです。
この場合はマークして、数年後に監査されることになりますので、泳がされている間にもずっとやり続けると、一回の監査で過去数年間の無申告加算税や重加算税に更に延滞税が課税されるので、一気に大金を支払う可能性があります。
実際は弊社にご相談頂いたお客様の中で、確定申告で不正な申告をして、追加課税したことで、物件の買い増しで本来は1%台の金利で融資受けられたはずなのに、追加課税したことがあることから、金利が2%台に上げられたとのことです。
つまり、不正な申告は追加課税だけではなく、今後の融資にも悪影響が出ることがあることを覚えておきましょう。
4、目的を失ってしまい、損をしてしまうこともある
節税をしたいという目的で、たまには損をしてしまうケースもあること認識していただきたいです。
節税のポイントは課税金額を下げることが重要です。実際に支払う金額は課税額から税率をかけた金額になります。中には課税金額を下げるため、必要のないモノを買ってしまう方も多いですが、結果、安くなった税金よりも無駄な買い物の金額が大きくなり、損をしてしまうという本末転倒なケースもあります。
つまり、税金をおさえるためには出費は必要ですが、その出費は本当に必要な出費なのか、その出費によって本当に節税という目的を達成できたのかについて、行動を起こす前に明確にする必要があります。
こちらの記事は動画にも解説しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。