不動産投資は儲からないとよく耳にすることはないでしょうか。
資産運用として注目されている不動産投資。不労所得を得られる、継続して家賃収入を得られるイメージがあります。
しかし、不動産を購入してすぐに利益が出るわけではありません。場合によっては赤字になることもあります。
そこで今回は、不動産投資が儲からない理由から不動産投資のメリット、注意点までを詳しく解説します。これから不動産投資を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1、不動産投資が儲からないのは本当?
不動産投資が儲からないと言われる理由はどこにあるのでしょうか。
そもそも不動産投資は、不動産を購入時の価格よりも高い価格で売却した際に得られる「キャピタルゲイン」と、不動産を購入してから第三者に賃貸することで家賃収入を得る「インカムゲイン」に大きく分けられます。
また、家賃収入を受け取りながら、ある程度の時期が来てから売却するといったインガムゲインとキャピタルゲインどちらも得られることも可能です。
不動産投資では、他人資本で安定した家賃収入を得ることがメインになりますが、毎月のキャッシュフローという観点より、銀行から融資を受けてレバレッジを活かせることがポイントです。
よって、月々のキャッシュフローから見た際に、手元残りが少ないため、儲からないというイメージを受けてしまいます。
もちろん、仕入れて売るシンプルな方法である転売益も狙うことも可能ですが、個人での短期譲渡については高い税率が課せられるのと、初心者が転売益を狙うのはハードルが高いと言えます。
2、不動産投資は儲からない!それでもする4つの理由
今の日本の不動産投資は売却益などの転売益を狙うにはなかなか難しいのですが、それでも不動産投資をメリットが大きいです。
以下にて不動産投資をする4つの理由をご紹介します。
(1)他人資本より大きな資産を築くことができる
株式投資やFXなど、さまざまな資産運用がありますが、不動産投資は他人資本で元手が少なくても、大きな資産を築くことが期待できる投資方法です。
つまり、昨今の低金利時代で「レバレッジ効果」を活用した投資を行うことができます。
さらに入居者からの家賃収入でローンを返済することができるのも魅力的です。
(2)生命保険代わりになる
不動産投資は不労所得が入り、安定した収入が期待できます。その一方で生命保険代わりになるとも言われています。
それは、不動産投資で融資を受ける際に「団体信用生命保険」に加入することができるからです。
「団体信用生命保険」とは、投資ローンの債務者が亡くなってしまった又は高度障害となったなど、万が一な時に備えてローンの残高を全額まかなう保険です。「団信」とも呼ばれています。
その場合は、ご家族の方に無残債の不動産を残すことができて、そのまま賃貸して家賃収入を得てもいいし、不動産を売却して売却益を得ることもできます。
団体信用生命保険の仕組みについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参照にしてみてください。
また、下記動画にも分かりやすく解説していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
(3)インフレ対策として有効的である
不動産投資がインフレ対策として有効な理由は、物価指数の上昇にあります。
インフレとは、預金や国債などの金融資産は貨幣価値が下がりますが、不動産などの現物資産は、物価上昇とともに不動産価格が上がる傾向にあります。
国土交通省が公表している「不動産価格指数」によると、2013年からマンションの価格は右肩上がりで上昇し続けているのがわかります。
もう1つは、インフレ時にはお金の価値が下がるので、借金の金額も実質的に目減りすることになります。
例えば、3,500万円を融資していたとして、インフレでお金の価値が下がるので、当初の3,500万円より下がって3,300万円になった場合、返済する金額は200万円も減り、債務者側にとってメリットが大きいのです。
ただし、固定金利の場合は返済額が固定されるので有利にはたらきますが、変動金利の金利場合はインフレによって金利が上昇するため、結果返済額も増えることになるので、有利にならないこと認識しておく必要があります。
(4)節税になるケースもある
不動産投資をすることによって、節税になるケースもあります。
①所得税
不動産投資でマイナスになった場合、サラリーマンのケースでは、確定申告時に給与から不動産の赤字分を差し引くことができます。
例えば、給与所得500万円で不動産所得が100万円のマイナスになった場合は、400万円が課税所得となります。確定申告をすることによって、給与で天引きされた税金の還付を受けることができます。
これを「損益通算」といいます。
②住民税
前年の所得に課税される「所得割」と均等に税金を徴収する「均等割」があります。
所得税が安くなったことによって、住民税も安くなります。
特に不動産投資の初期は、減価償却費などの経費をきちんと計上することによって、収入を上回ることもあるので節税できるケースが多いです。
ただし、ここで注意して頂きたいのは、無理して赤字計上にするのではないことです。
③相続税
現金を不動産にすることで、評価額が下がります。土地の評価額は実勢価格の約80%です。よって、同じく1億円を相続しても、現金で相続するよりは不動産で相続した方が課税額が安くなって、税金がやすくなります。
また、更地で相続するよりは、アパートやマンションなどを建てると貸家建付地となり、相続税評価額が下がります。
また、不動産を賃貸にだしたり、「小規模宅地等の特例」などで更に課税額を圧縮することができます。
不動産投資のメリットについて、下記動画にて分かりやすく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
3、不動産投資のリスクと回避策も把握する
不動産投資は投資である以上当然リスクを伴います。ここでは、不動産投資のリスクとその回避策を紹介します。
(1)空室リスク
日本の人口は減少傾向にあり、空室リスクを考慮しなければなりません。借り手がつかない物件はいつまでも家賃収入が入らず、維持費だけがかかります。
空室対策として、立地が重要となります。駅から徒歩10分以内、徒歩圏内に商業施設や医療機関、コンビニ、役所など、利便性の高い立地であるかがポイントです。
その他、快適な住まいを実現するため、中古物件はリノベーションで付加価値を提供するのもひとつです。
(2)金利上昇リスク
変動金利では、金利上昇で不動産投資ローンの返済額が大きくなるリスクがあります。
対策としては、自己資金の割合を増やすことや返済方法を元金均等返済にして毎月一定の借入金を返済していくなどが必要です。
その他、資金に余裕ができれば「期間短縮型」や「返済額軽減型」の繰り上げ返済を検討してみるのもよいでしょう。
(3)自然災害リスク
地震、台風などのリスクについても考慮しなければなりません。
回避策としては、地震保険などの保険に加入することも重要ですが、元々地盤が強いエリアを選ぶことも重要なポイントと言えます。地盤などについては国土交通省が運用する「ハザードマップポータルサイト」にて確認することができます。
また、物件の耐震性については、1981年6月1日以前の「旧耐震基準」と「新耐震基準」がありますが、震度6強の地震でも倒壊しない設定である「新耐震基準」の物件を選ぶようにしましょう。
(4)資産価値の下落リスク
建物老朽化による物理的な要因や心理的瑕疵の物件、利便性が悪い物件などは、資産価値が下落する可能性が高いです。
生活利便性の高いエリアや治安の良い場所を選ぶことが重要となります。また、エリアの開発計画を確認するのも重要です。ショッピングモールの建設などの計画があれば、人口増えることが予測できますので、人口が増えれば賃貸ニーズも増えるので、物件の資産価値も落ちにくいと言えます。
不動産投資のリスク、そして回避策について詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
なお、下記動画にも分かりやすく解説していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
4、不動産投資に適している人は?
不動産投資に向いている人は、どのような人なのでしょうか。以下にて解説していきます。
(1)レバレッジ効果を得たい人
少ない資金でできるだけ大きく利益を得たい人に適した投資方法です。大きく利益を得ることができると、新たな物件に投資することも可能になります。
(2)長期に渡り資産形成をしたい人
長期的な視点で不動産投資ができる人です。利便性が高く、ニーズのある物件であれば、空室もなく長期にわたり安定した家賃収入が期待できます。
(3)融資に有利な属性を持つ人
融資を受けやすい属性の人は、不動産投資に適しているといえます。職業の安定性や高い年収があれば、新たな物件にも投資することができるでしょう。
(4)本業が忙しい人
副業で不動産投資を行っている人も多くいます。不動産購入後は管理業務を不動産会社に委託することができため、本業が忙しい人でも影響が出ないと考えられます。
5、不動産投資で失敗しないための注意点
最後に不動産投資で失敗しないための大切な注意点を紹介します。
(1)身の丈にあった投資プランである
投資目的が定まらず、とにかく利益最優先でアパートやマンションの一棟買いするケースです。空室多数で赤字になると、ローンの返済が難しくなります。
不動産投資は、計画的に身の丈にあった投資プランが必要です。
(2)信頼できる担当者がいる
不動産投資は、信頼できる営業スタッフがいる会社選びが大切です。物件や融資に関する知識が豊富など、お客様目線で実績のある担当者と信頼関係を築くことが理想です。
(3)常に情報収集をする
不動産投資は社会情勢の変化など、さまざまな原因で資産価値が変動します。常にアンテナを張りながら、専門的な法律や不動産に関する新しい知識を取り入れなければなりません。