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新型コロナウイルスの影響で、賃料を減額したビルオーナーを対象に国道交通省は税減免の特別措置を打ち出しました。

飲食店などの店がテナントとして入っているビルは、営業自粛などにより売上が減少し、店の賃料を支払えないなどの事態が多く発生している中で、331日に国道交通省は賃料の支払いの猶予に応じるなど、柔軟な措置の実施を検討するよう、不動産の関連団体を通じてビルオーナーに要請がありました。

4月17日に、店の賃料について減額、支払い猶予を対応しやすくするため、対応に応じたビルオーナーを対象に、家賃収入が減少したオーナーに対して法人税、社会保険の猶予、固定資産税の減額や免除を関連法案に提出する方針です。

1、ビルオーナーが受けられる特別措置

国道交通省の要請を受け、入居中のテナントの家賃減額、支払い猶予交渉に応じたビルオーナーを対象に以下の特別措置が実施された、実施予定とのことです。

  • 減額・免除した家賃を損金に計上ができる(実施中)
  • 税と社会保険料の支払い猶予(関連法案の成立後)
  • 2021年度の固定資産税・都市計画税を減免(関連法案の成立後)

では、それぞれについてみてみましょう。

2、減額・免除した家賃を損金に計上ができる

まず最初に挙げられるのは既に実施中である減額・免除した家賃を損金に計上することができることです。

4月7日に国土交通省は、賃貸中のテナントなどの賃料を減免した場合、その減額によって生じた損害額を損金として計上できることを明確にされました。

なお、ただ単に家賃を減免すれば適用されるわけではなく、下記3つの条件を満たす必要があります。

(1)賃料を減免する必要があることを証明する必要がある

1つ目の条件は、賃料減免するテナントは、新型コロナウイルスの影響を受け売上が減少し、事業を継続していくことが難しく、賃料減少を受ける必要があること明らかにする必要があります。

(2)家賃減免期間はコロナウイルスの影響であること

家賃減免期間は、新型コロナウイルスの影響が原因であることが条件です。

例えば建物が老朽などの理由により、家賃が減額しても適用されず、新型コロナウイルスの影響によって、一時的に家賃を減額し、通常に営業が復帰されるまでの期間のみ適用されます。

(3)覚書を締結する必要がある

家賃の減額を対応するのは、新型コロナウイルスの影響を受け、事業を継続してもらう、雇用確保などを目的としたことを、覚書にて締結する必要があります。

国土交通省にて覚書のフォーマットを公開していますので、作成する際に参考にしてみてください。

3、税と社会保険料の支払い猶予

関連法案が成立後の実施となりますが、賃貸中のテナントの家賃減少対応をすることによって、ビルオーナーの家賃収入も減少することになります。そこで特別措置として202021日〜2021131日の間に納付する税や社会保険料の納付猶予を受けることができます。

なお、受けるには20202月以後の任意の1ヶ月以上の期間において、前年の同期を比較して20%以上収入が減少した場合、かつ一時に納めることが困難を認められた場合は申請することができます。担保を提供する必要がなく、延滞税も免除されます。

また、法人だけではなく、個人のオーナーも対象となり、最寄りの税務署にて手続きを行ってください。

4、2021年度の固定資産税・都市計画税を減免

こちらも関連法案が成立後の実施となりますが、家賃収入が減少された場合は、その減少率に合わせて、2021年度の固定資産税・都市計画税は減少、もしくは全額免除されます。

  • 減少率30%〜50%:減免率1/2
  • 減免率50%〜   :全額免除

まとめ

今回のコロナウイルスの影響が大きく、テナントに営業が出ることによって、ビルオーナーにも影響が与えることになります。家賃収入の減少で大きく影響を受ける方もいると思いますが、ぜひ特別措置をご活用いただき、乗り越えていきましょう。

カテゴリー: 不動産投資とは
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