ヤフーニュースなどすでにご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、9月に国税庁が発表された「民間給与実態統計調査」によると、2019年のサラリーマンの平均年収は「436万円」と、前年度より下がったとの記事がありました。また、今年はコロナの影響で、ボーナスカット、失業などにより更に平均年収が下がるのではと言われています。
つまり、サラリーマンは長く働けば給与が上がる、終身雇用の時代が終わり、これからは給与の他に、お金を増やすには資産形成する必要があるのです。
そこで今回は
- 資産形成する目的を明確に決める
- 「他人資本」と「自己資本」
- 分散投資の重要性!信頼できる専門家を仲間にする
- 2021年に向けてのオススメ投資商品
などについて書いていきますので、お金を増やしたい、資産形成を検討されているサラリーマンの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1、なぜサラリーマンは資産運用をすべき?
冒頭にも書きましたが、かつて終身雇用の日本は、会社勤務をしていれば給与が上がり、解雇される心配もなくぬるま湯に浸かりながら、定年まで安泰という時代でしたが、今となれば給与はなかなか上がらず、いつか解雇されてもおかしくない時代に変わりました。
よって、給与だけで生活するのにいっぱいいっぱいになり、なかなか貯金額が増えません。
一方、2,000万円問題など老後生活に不安になる要素が多くなり、年金の他に自分で老後資金を準備しないといけない状況になっています。そこでお金を増やしたいのであれば、資産運用する必要があります。
2、資産運用する目的・目標を明確に決める
資産運用をしたいと言いながら、なかなか行動に移せない方は、具体的な目的がない方がほとんどです。
目的がなければダラダラしてしまい、いつまで立っても始まらないのです。従って、本気で資産形成をしたい方は、まず目的を明確に決めるようにしましょう。
目的を決める時のポイントは、短期・中期・長期と分けることです。
(1)短期目的・目標
短期目標としては、毎月の生活に余裕を出したい、1年後に車を買いたいなどの目標を指します。
(2)中期目的・目標
中期目的・目標としては、5年後にマイホームを購入する、子どもの中学校受験に向けて、10年間で教育資金を作るとかが挙げられます。
(3)長期目的・目標
長期目的・目標としては、やはり老後資金と言えるでしょう。年金の受給年齢の引き上げ、老後2,000万円問題など老後生活に不安を感じている方も非常に多いので、若いうちから老後資金を作りたい方は非常に増えています。
このように、目的が違えばそれに合った資産形成方法も異なるので、何を目的にいくらを貯めるかなど明確した目標が見えれば、プランニングを立てることもできます。
3、「他人資本」と「自己資本」
資産運用をする前に、まず「他人資本」と「自己資本」について知っておく必要があります。初心者の方はピンとこない方も多いかと思いますが、分かりやすく言えば自分のお金か、他人のお金のことです。
実は投資には、株・FXなど自分のお金でしか投資できない投資商品もあれば、不動産を担保に出して、銀行から購入するお金を貸してもらうという銀行、他人のお金で投資できる不動産投資があります。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
例えば、自分のお金で投資するなら、投資できるお金があればすぐスタートすることができる。デメリットは持っている金額でしか投資ができないのと、万が一失敗したらその分のお金を全て失ってしまいです。
一方で、銀行からお金を借りて不動産投資をする場合は、物件価格のお金を持っていなくてもスタートすることができます。デメリットは誰でも融資が受けられるわけではないので、融資の資格がないと受けられないことです。
4、サラリーマンにオススメしたい4つの資産運用の戦略
株式、FXなどの金融商品から始め、数多くの投資商品があります。しかし、本業が忙しいサラリーマンには、やはり可能な限り手間をかけず資産形成することができる投資商品を選ぶことが重要です。
以下にて4つの投資商品をピックアップしますので、ご自身の属性、投資目的に合わせて選んでみてください。
(1)プロに運用を任せる「投資信託」
まず最初に挙げられるのは「投資信託」です。
投資信託とは、投資家からお金を集めてそのお金で投資のプロが運用して、その利益を投資家に還元する金融商品です。
プロに運用を任せることによって、失敗するリスクを最小限におさえることができて、本業が忙しくて自分で運用する必要がないため、手間をかけずに利益を得ることができます。
ただし、プロに運用を任せているわけなので、その分手数料が少し高めになること認識しておく必要があります。
(2)他人資本でスタートできる「不動産投資」
2つ目にご紹介したいのは、サラリーマンの中で人気が集まっている「不動産投資」です。
不動産投資は不動産を担保に出すことによって、銀行などの金融機関から購入資金を借りられるのです。つまり、不動産投資は購入資金がなくても他人資本からスタートすることができるのです。
他人資本でスタートできるの他に、
- 生命保険代わりになる
- インフレ対策として有効的である
- 相続税などの節税効果がある
など不動産投資ならではのメリットもあります。
不動産投資の基本的な仕組みについて下記の動画にて分かりやすく解説しておりますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。
(3)AIに運用を任せる「ロボアドバイザー」
ロボアドバイザーは、人工知能AIに運用を任せて投資することです。
証券会社が取り扱う投資商品によって異なりますが、どんな商品を選ぶかは事前のアンケートで答えることになります。ロボアドバイザーはほとんど手間をかけず少額でスタートすることができるのがメリットですが、投資信託と同じように運用コストが高くこと認識しておく必要があります。
(4)少額からできる「REIT」(リート)
REITは不動産投資信託といって、不動産を投資対象となる投資信託商品です。投資法人が管理などをすべてやってくれますので、こちらの投資商品もほとんど手間をかけずに運用することができます。
少額からスタートができて、運用手間がかからないのはメリットですが、運用を任せていることから運用コストがかかるのと、投資法人が倒産するリスクがあること認識しておく必要があります。
5、サラリーマンだから活用できる節税術
サラリーマンは会社勤めなので、税金を引かれすぎて悩まれている方も少なくないでしょう。
この章では、サラリーマンだからこそ活用できる節税術をお伝えします。
(1)「所得控除額」を増やして所得税を節税する
サラリーマンは様々控除を受けることができます。しかし、知らない人が多く、そのまま税金を払いすぎています。
サラリーマンは下記の控除を受けることができます。
- 基礎控除
- 社会保険控除
- 生命保険料控除
- 配偶者控除・扶養控除
- 雑損控除
- 寄付金控除
- 医療費控除
- 地震保険料控除
- 障害者控除
- 寡婦(寡夫控除)
それぞれの控除を受ける時の条件などについて、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
(2)不動産投資をして損益通算をする
上記にも書きましたが、不動産投資はサラリーマンにオススメしたい投資商品です。実は不動産投資をすることによって、所得税を節税できる場合があります。
それは「損益通算」を活用することです。分かりやすく言うと、不動産所得を赤字計上することができれば、確定申告をすることによって、給与所得と通算して払いすぎた税金の還付を受けることができるのです。
仕組みについて詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。
(3)法人設立する
サラリーマンの場合は個人にあたるので、累進課税制度にあたり所得が高ければ高いほど税率も上がってしまいます。
一方、法人の場合は税率が23%と決まっているので、個人で23%の税率を超えたら、法人を検討してもいいでしょう。
しかし、法人の場合はたとえ赤字でも税金がかかってしまうなどのデメリットもありますので、事前に把握しておく必要があります。
6、分散投資の重要性!信頼できる専門家を仲間にする
投資である以上リスクはつきものです。つまり、どの投資商品にもメリットとデメリットは存在します。
例えば、株・FXなどの金融商品は毎日値動きしているので、短期で儲けることができます。一方、失敗した場合はただの紙くずなので、価値がゼロになってしまいます。
不動産投資は毎日値動きしているわけではなく、長期に渡り家賃収入を得られるというメリットはありますが、金額が大きいためお金が必要な時にすぐ売れないなど流動性が悪いデメリットがあります。
このように、それぞれの投資商品の仕組みを理解した上で、組み合わせて持つことによって、リスクヘッジすることができますが、ただここで注意していただきたいのは「ムリして持たないこと」です。
自分の性格、資金力によってできるとできないものがあります。例えば常に値動きをしている株などの金融商品は得意でなければ、ムリして株投資をしなくていいです。その代わりに万が一な時に備えて、現金を持つというリスクヘッジの方法があります。
また、証券マンを除いて、普通のサラリーマンは自分の本業があり、投資のプロではないです。基礎知識は必ず身につけるべきとはいえ、100まで全て把握することはなかなか難しいです。そのため、信頼できる投資のプロを仲間にすることが重要です。一つの投資商品ではなく、投資全般の知識がある方はなおいいですが、自分が最も重心を置いている投資商品のプロがいいと言えるでしょう。
株なら株のプロ、不動産投資なら不動産投資のプロとかです。