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不動産投資をする上で、不動産投資の様々な専門用語が飛び交い、困惑された経験はありませんでしょうか。「ネット利回り?」「積算価格?」「AD?」「減価償却?」「団信?」「ROI?」他にもたくさんあります。知っている人は、確認程度に。知らなかった方はしっかり読み込んで、不動産会社の方とのやり取りでクエスチョンマークが飛び出ないようにしましょう。 

そして皆さんの不動産投資ライフの助けになればと思います。

1、初心者編

はじめに不動産投資という言葉自体、当たり前のように聞きますが、実は辞書にも載っていない言葉です。造語とまではいきませんが、「不動産に投資すること」を総じて「不動産投資」と呼んでいるだけです。では入門編として初心者の方に覚えてもらいたい言葉から説明します。 

(1)表面利回りとネット利回り

まず利回りとは?回収率とも取れます。

よく聞く「利回り〇〇%」というのは、不動産投資でいうところの、売買金額に対して、年間何%回収できるのか?という回収率の数字を表しています。

つまり利回り10%ということは、年間10%回収していますので、10年間で売買金額を回収しきれるという事です。

では「表面利回りとは?=年間家賃収入÷不動産売買価格(税込み)」という単純計算で表示されることがほとんどです。 

読んで字のごとく、表面的にみた利回りということです。

大まかな利回りの指標にはなりますが、経費等が含まれていない為、注意が必要です。

グロス利回りとも呼ばれますので覚えておいてください。

また満室利回り想定なども、この表面利回りで提示していますので、覚えてください。

では、ネット利回りとは?=実質の年間家賃収入÷不動産売買価格(税込み) 

実質の年間家賃収入というのは、不動産を維持管理するために必要な経費(管理費や清掃費、電気代など)と固定資産税などの税金を年間家賃から差し引いた、実際に手元に残る家賃収入のことを指します。

つまりネット利回りの方がより正確な回収率と言えます。 

また、注意点として表面利回りが良くても、実際にはエレベーターの維持管理がある物件や、総戸数の多い物件は、経費がかさむことが多く、ネット利回りが低くなるケースがありますので、注意が必要です。

他にも考え方としてROIイールドギャップというものがありますが、後述します。

(2)団信

団信とは「団体信用生命保険」の略称です

不動産ローンを組む際に加入する生命保険ですが、保険金がおりてくる普通の生命保険と違い、契約者に万が一のことがあった際(死亡・高度障害など)には、ローンの残債が完済されるという仕組みです。

最近の団信には三大疾病保険やガン保険が付帯しているものなどもありますが、基本的な仕組みは同じですので、ここでは詳しい説明を省略します。 

(3)節税

この言葉も初めて聞く方は「節税?」となるのではないでしょうか。 

よく不動産業者(特にワンルーム業者)は「節税効果がある」「節税効果がすごい」などと連呼してきますが、節税というのは「脱税」とは違い、法の範囲内で税負担を減少させる行為のことです。つまり犯罪にはなりませんのでご安心ください。

不動産投資の場合は、不動産の収入もあるが、それに伴う必要経費も発生することで、納税を軽減できるという意味合いですが、その必要経費の中に「減価償却費」という項目があり、不動産の建物には、貸し出す商品としての法的な寿命が設定(鉄筋コンクリート造なら47年など)されており、毎年の確定申告でこの寿命の分だけ、償却費として経費にすることが出来るという仕組みがあります。

(4)サブリース

サブリースという言葉は「又貸し・転貸」を意味します。不動産会社が部屋をオーナーから部屋を借り上げて、さらにその部屋を第三者に貸すことです。

不動産会社によって、呼び方も違い「空室保証」「家賃保証」と表現することも多いですが、仕組み自体は同じです。一般的にサブリースの方が安心感を謳っていることが多いのですが、契約内容によっては解約がなかなか出来ないものや、免責期間といって家賃が入らない期間が設定されていたりしますので、注意が必要です。 

家賃保証(サブリース)について詳しくは知りたいは下記記事を参照にしてみてください。

(5)RC・SRCなどの構造名称

建物の構造には様々なものがあります。ここでは初心者編として 

  • RC(鉄筋コンクリート造)
  • S(鉄骨造)
  • W(木造)

この3種類を覚えておきましょう。表記方法によってはアルファベットで表示されることもあります。強度や耐久性、施工費用も上から順番に低くなります。マンションと書いてありながらW造のものや、S造のものもあります。マンションという意味合いは非常に曖昧なのですが、RC造でエレベーターが付いているもの以外はアパートという認識で構いません。

(6)その他細かい初心者向け業界用語17選(1行でまとめます)

  • 売契=売買契約書(不動産の売買契約書)
  • 重説=重要事項説明書(契約内容の細かい説明が書かれた書類)
  • 金消(きんしょう)=金銭貸借契約書・いわゆるローンの契約を結ぶこと、または書類
  • 手付(金)=契約時に支払う頭金のこと
  • オナチェン物件=オーナーチェンジ物件のこと。賃借人に住ませたまま、売却した物件
  • キャッシュフロー=CFと記載され、使われ方としては毎月又は毎年生み出す利益のこと
  • 区分所有権=分譲マンションの1戸の所有権のこと。土地の権利も所有している
  • 修繕積立金=区分マンションの場合は、修繕費を皆で積み立てていくという発想がある
  • 共益費=家賃とは別に入居者から回収するもの。家賃と分けることで入居募集しやすい
  • 出口戦略=不動産投資の保有経過後の戦略。売却やリファイナンス等を考えておくこと
  • フリーレント=建物等の賃貸契約において、一定期間、賃料を無料にすることをいう
  • フルローン=全額融資を受けること。金融機関の評価が高くないと厳しいローン
  • プロパティマネジメント=委託を受けて不動産の管理・運用を行なう業務のこと
  • ポートフォリオ=投資家などが保有する株式や債券、不動産等の資産の構成内容のこと
  • 与信=個人の信用評価を行い、いくらまでならお金を貸すことができると査定すること
  • レバレッジ=借入れを利用し、自己資金よりも大きな投資を行うこと。レバレッジ効果
  • レントロール=賃貸状況一覧表のこと。空室に関しては、想定家賃が記載される事が多い

ここまでが、初心者編となりますが、聞いたことあるものも多かったのではないでしょうか。

上記の言葉の意味を知っている方は、中級者編を続けて読みましょう。

2、中級者編 

つづいて中級者編になります。中級者は区分マンションのみならず、一棟収益マンションやアパートや土地活用、リノベーションなどにも目が向くと思います。このあたりを中心に専門用語の解説をしていきます。 

(1)インカムゲインとキャピタルゲイン

まずはこの言葉を覚えておきましょう。不動産投資には2つの目的があるとされており、その大きな目的が「インカムゲイン(安定収入を得る)」「キャピタルゲイン(売却益を得る)」ということになります。

もちろん両方狙える不動産投資がベストであることは間違いありません。

初心者編でも出てきましたが、出口戦略を見据えた不動産投資は重要です。

初めは新築で良くても、古くなった時に資産価値が下がるものや、入居者が付きにくくなるような不動産投資では、長きに渡るインカムゲインも、高値で売りぬくキャピタルゲインも期待が出来ないからです。

つまり不動産投資は所有中にはインカムゲインが期待でき、売却時には大きなキャピタルゲインが狙える立地であることが重要です。ここでは深く話しませんが木造より鉄筋コンクリート造の方が、キャピタルゲインを狙うには適しています。

(2)収益還元法と積算価格

次に不動産投資を勉強しているとよく聞くこの言葉です。 

  • 収益還元法
  • 積算価格

①収益還元法とは

    収益還元法とは金融機関が不動産鑑定評価において、対象不動産の収益をベースとして対象不動産の価格を求める手法のこと。この収益還元法による試算価格を「収益価格」という。収益還元法は、さらに直接還元法とDCF法に分けることができます。

    直接還元法とは、ある一期間の純収益(総収益から総費用を控除した残額)をある一定の利回り(これを「還元利回り」という)で割ることで、収益価格を求める方法です。

    この還元利回りは地域や金融機関など、査定する側で設けていることが多いです。

    またDCF法とは、連続する複数の期間におけるそれぞれの期間の純収益を、各期間に対応した割引率で割ることにより現在価値へと換算し、それらの現在価値の合計値を収益価格とする方法です。 

    それとは別の評価方法として、「積算価格」というものが比較として使われることが多い。積算価格とは、土地と建物を別々に現在の価値で評価し、それを合わせた評価額のことを言います。積算価格の算出方法を「原価法」と呼びます。 

    なお、土地の価値の評価の方法としては路線価や国土交通省の公示価格を利用して価格を算出します。これに対して建物の場合には再度新築した場合の価格を前提に、その価格に残化率(価値が0になるまでの年数に対する新築から経過した年数の割合)を掛け合わせたものから算出されます。

    現在一棟マンション・アパートを扱う多くの金融機関はこの積算価格で融資を評価することが多く、立地が良くて、築年数の浅いRC造の収益物件は稀少性が高いと言えるでしょう。

    (3)バリューアップ(リノベーション・リフォーム・コンバージョンなど)

    中級編最後の専門用語として、バリューアップについて解説します。 

    ここでいうバリューアップとは、既存建物に改装・改築などを施して、建物の感覚的な価値を引き上げることを指します。

    よく中古マンション販売会社に赴くと「このマンションはリノベーション物件です」とか「この建物をコンバージョンして活用しましょう」などの言葉が飛び交います。

    なんとなく意味を理解している方は多いと思いますが、しっかり解説します。 

    ①リノベーションとリフォーム

    はじめにリノベ―ションとリフォームの違いですが、実は明確な判断基準はありません。意外と思われる方も多いと思いますが、国は定義を明確にはしていません。 

    会社によって呼び方が違うというのが正確なところです。 

    どちらも老朽化が進んだ建物を改築・改装し綺麗にしてバリューアップさせるという概念も方法の違いもありません。

    ただ感覚的な意味合いとしてリフォームは「元に戻すといった意味合いが強く、リノベーションは「造り変えるという表現で使われることが多いです。

    リノベーションの方が大掛かりなことも多く、ガラッと印象を変えることでバリューアップを図ります。

    時代には流行り廃りがありますので、若者受けするように造り変えるといういわゆる「リノベ物件」であることは悪くないということになります。

    ただ投資物件として注意しなければならないのが、リノベ後再販する場合は空室の状態であることが多いので、家賃収入が始めは入ってこないこともあります。それをはじめから保証することを「リノリース」とも呼びます。

    ②コンバージョン

    より専門的な感覚で、既存建物の耐久性は残しつつ用途自体をバリューアップの為に変更するという用途転用を目的としたリフォーム(リノベーション)を行います。

    実例として、ビルのテナントがなかなか入らない部分をホテル(旅館業)として改装し、貸し出すといった例もあります。 

    リフォームよりも抜本的な改装・改築を行った物件を「コンバージョン物件」と呼ぶことがあります。 

    3、上級者編

    それではお待たせしました、上級者編です。 

    ここでは投資不動産にのみ関係した言葉を厳選して解説します。 

    (1)NOI(エヌオーアイ)とROI(アールオーアイ)

    文字が似ているので並べましたが、意味が全然違います。 

    NOINet Operating Incomeの略です。純営業収益のことを指し、物件の総賃料収入から管理運営にかかる費用(固定資産税、管理費、修繕費等)を控除したものです。 

    初心者編で解説した「ネット利回り」のネットの語源はこのNetからきています 

    ちなみに投資判断の指標に用いられるNPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)を算定する際の収益としても使用されるので覚えておくと良いでしょう。 

    次にROIReturn on Investmentの略ですが、こちらは投資に使った自己資金に対してのリターン(利益)の比率(%)を表しています。

    頭金をいくら投入するかによって、数字も変わってくるので一概には言えませんが、自己資金回収率として、この数値が高い投資物件は魅力的ではあります。 

    (2)プライムレート

    まずプライムレートとは最優遇顧客である信用度の高い企業に適用される貸出金利のこと、「最優遇貸出金利」のことです。

    返済期間が一年以内のものを短期プライムレート、一年より長いものを長期プライムレートと言い、従来は公定歩合に連動していました。

    現在は市場の金利動向に基づいて決められるようになりましたので、従来の公定歩合連動と区別し新短期プライムレート、新長期プライムレートと呼ばれています。 

    このプライムレートに各金融機関が金利を上乗せしているというのが、一般的な考え方でしたが、現在の住宅ローンなどは、優遇金利という言い方でこのプライムレートよりも低い金利で融資実行していることがほとんどです。

    不動産投資においては、上乗せしていることが多いので、指標にはなるかと思います。

    融資を受ける金融機関によって違いがあるということです。 

    ①短期プライムレート(短プラ)の特徴

    そもそも短期で貸し出すつもりのレートなので、変動が小さいのが特徴的です。

    50年など長く貸すよりも短い融資の方が確実に返ってくる可能性が高いことから、変動が小さいということです。

    短プラは各金融機関が発表するものですが、大きな違いはありません。

    長期運用をお考えの投資家は、変動の小さい短期プライムレートがおススメです。

    ②長期プライムレート(長プラ)の特徴

    こちらは短期プライムレートと違い、みずほ銀行や新生銀行などの一部の金融機関が発表しているものです。基本的に日銀のホームページに記載される長プラはみずほ銀行の長プラを掲載しています。 

    特徴としては、国内債券を基準に定められていますので、細かく上下するのが特徴です。 

    不動産投資において変動金利を選ぶ場合は、長期間の融資になることがほとんどですので、現状の見た目の金利に惑わされないことが重要です。 

    (3)その他上級者用語8選

    • バルク売り=複数の不動産をまとめ売りすること。相場より安くなるケースが多い
    • デューデリ=デューデリジェンスの略。不動産鑑定士等の専門家に調査依頼をすること
    • AD広告料のこと。賃貸募集の際に、オーナーが賃貸管理会社に出す報酬のこと
    • キャップレート=還元利回りのこと。一定期間の純収益(NOI)を対象不動産の市場価値で割って算出する
    • イニシャルコスト=不動産購入に係る頭金のこと。諸費用を含める場合もある
    • アセットアロケーション=投資の基本的な考え方のひとつ。運用に伴うさまざまなリスクを抑えつつ、効率的なリターンを達成するために、市場環境に応じて投資資金を複数の異なった不動産などの資産(アセット)に配分(アロケーション)する投資戦略のこと
    • 競売物件=自己破産等の破たんなど債権の返済でできずに差し押さえられた不動産を、地方裁判所が競売にかけて売却する物件のこと。一般的な市場価格より安く手に入る可能性もあるが、権利関係が複雑なケースが多く、事前調査が必要
    • 一種単価=一種単価とは、「容積率100%あたりの土地単価」です。坪で計算をしますが、同じ一坪でも、容積率が違えば価格も価値も変わってきます。容積率とは建物を建てられる割合ですので、大きければ大きいほど、高い建築物を建てることができるます。よって、同じ土地面積でも容積率によって上に伸ばせるので価値が変わるのです。そこで登場するのが、『一種単価』という発想です。「もし同じ容積率に均したらいくらになるのか」という指標と言えます。主に新築区分マンション業者が使用する言葉

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    まとめ

    いかがでしたでしょか。聞いたことある言葉から聞きなれない言葉もあったかもしれませんが、不動産業者は当たり前のようにこういった専門用語を交えて説明してきますので、こうした専門用語の事前勉強は大変重要になります。 

    また、何か不明な用語を聞いた場合は、臆せずその場で質問するか、メモを取り後で調べてみて下さい。それでも分からなかった場合は是非一度ご相談ください。