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不動産投資にチャレンジしたいけれど、何から始めてよいのかわからないという人は多いのではないでしょうか。また、以下のような不安を抱く人もいるでしょう。

  • 万が一投資に失敗して破産したりしないか不安
  • 悪質な不動産業者に騙されないか不安

不動産投資の初心者がこのような不安を取り除くためには、まず不動産投資に関連する知識を身につけることなどが重要です。この記事では、自己資金の必要額や融資に関する知識、物件の選び方などについて解説します。

1、自己資金を用意する

不動産投資で破産してしまうなどのリスクを下げるためには、自分の返済能力に合わせて融資を活用することです。融資枠いっぱいいっぱいになると返済金額も当然上がってしまうので、余裕のある返済プランにすることを意識しておく必要があります。

また、フルローンを受けられたとしても、不動産を購入する時に諸経費という費用で現金で支払う必要があります。こちらの章では自己資金の必要額と、融資の仕組みについて理解しておくべきポイントについて解説します。

(1)最低でも物件価格の5%〜10%は自己資金を用意する

不動産を購入するにあたって、不動産本体の価格の他に、売買契約書に貼る印紙代、不動産登記する時の登記費用など大体物件価格の5%〜10%前後の諸経費と呼ばれている費用を、現金にて支払う必要があります。

したがって、フルローンを利用できたとしても、あくまでも融資で利用できるのは物件金額となり、このように諸経費と言われている費用はご自身で用意する必要があることを認識しておく必要があります。

不動産投資をする際に自己資金ゼロ円というカラクリについて、詳しくは下記の動画を参照にしてみてください。

(2)融資について把握する

融資というと、契約書や約款などの文章量が膨大で、内容を把握しきれないということも多いでしょう。融資について最低限身につけるべき知識などについて解説します。

①融資の返済方法について

融資の返済には以下2種類の方法があります。返済方法によって時期ごとの返済額が大きく変わるので、必ず把握しておきましょう。なお不動産投資で融資を受けるにあたっては、投資計画によって最適な返済方法が異なります。

■元利均等返済

元利均等返済は、返済元本と支払金利の合計額を毎月一定額に保つ返済方法です。完済までの間、返済額が上下動しません。

先々の見通しを立てやすいメリットがある一方で、返済期間が長期化するデメリットがあります。また、返済期間の長期化に伴って支払金利が増えるのもデメリットです。

■元金均等返済

元金均等返済は、返済元本と支払金利の合計額が最初は多く、だんだん減っていく返済方法です。

返済開始当初の負担が重くなるデメリットがありますが、元本の減少が早いので、元利均等返済よりも支払金利の総額が減る点がメリットです。

一定期間経過後に物件を売却する前提であれば、元利均等返済のほうが適しています。元利均等返済は最初の返済負担が少なく済むためです。一方、物件を長期保有していく場合は元金均等返済のほうがよいでしょう。不動産は、古くなると維持管理費用がかさんで利益を上げにくくなるからです。

②金利の種類について

融資の金利には固定金利と変動金利との2種類があります。固定金利は契約当初に設定された期間において金利が変わらないタイプです。一方、変動金利は1年〜5年ごとに金利が上下動します。なお、金利が変動する周期については、審査を経て契約ごとに決定されます。 

なお、変動金利は固定金利よりも低く設定されることが多いです。ただし、変動金利は日銀が決める長期金利の上下動に合わせて変動します。このため、長期金利が上がると変動金利で契約したローンの金利も上がります。

変動金利と固定金利のどちらがよいのかという点についても、投資計画によって異なります。

短期間で物件売却する前提であれば変動金利のほうがよいでしょう。20209月現在は金利がかなり低いためです。一方、家賃収入を年金がわりにするなど長期的に投資運用するならば固定金利の方が適しています。固定金利は将来的な金利変動のリスクを排除できるためです。

ただし、現状としては今の日本の金利は史上最低金利と言えるほど低いため、実際に不動産投資ローンを利用されている方の多くは、変動金利を利用されています 

③金融機関の選び方

融資を受けるのに最適な金融機関は、投資家の状況と投資する物件によって異なります。自分自身の状況と物件について状況を整理してから、複数の金融機関に話を聞きにいくとよいでしょう。

メガバンクなど大手銀行は、全国の物件について融資を使える一方で審査が非常に厳しいです。勤続年数が長く高収入など条件が揃っていない場合は、融資を受けるのは難しいでしょう。

一方、地方銀行や信用金庫などは、審査が比較的緩く金利も高すぎない一方で、物件のエリアが限定されるデメリットがあります。金融機関の地元の物件にしか融資しない可能性が高いです。

セゾンファンデックスやオリックス銀行などに代表されるノンバンク系の金融機関です。物件の立地を問わず、審査通過の可能性が最も高い点はメリットですが、金利が高いデメリットもあります。

ただし、ご自身で融資を斡旋するのはハードルが非常に高いので、多くの方は不動産投資会社の提携ローンを利用しています。

提携ローンの場合は、借り入れする方の属性ももちろん重要ですが、その金融機関を提携されている不動産投資会社の信用力があります。したがって、より有利な条件で融資を受けたりすることができますので、多くの方が利用しています。

④融資審査のポイント

融資審査を通過するために重要なポイントは、自己資金と信用情報の2です。自己資金額が高いほど融資額が少なくなるため、審査に通過しやすくなります。

なお、近年では不動産投資に絡んだ不正融資などの問題発生により、審査が厳しくなっています。金融機関から自己資金を増やすよう求められることもあるので、留意しておきましょう。

信用情報については、携帯電話料金の滞納などがあると、信用情報に記録が残って審査落ちしやすいです。滞納料金がある場合は融資申込の前に支払いを済ませておきましょう。また、利用していない不要なクレジットカードがある場合は、解約しておくと安心です。

クレジットカードの枚数が多すぎると、今後多額のお金を借りる可能性があると判断されて審査に不利となります。

こちらの記事について、八木チエの「不動産投資の女神チャンネル」のチャンネルにて解説しています。ぜひ動画の方も合わせてご覧ください。

2、不動産投資に関する情報を収集する

悪質な不動産業者から高額な物件を売りつけられるなどの失敗を防ぐためには、投資家が自ら情報収集と勉強をすることが必要です。知識と情報があれば、不動産業者の営業トークについても裏側を見抜けるようになります。ここからは、情報収集と勉強についておすすめの方法をご紹介します。

(1)メディアやセミナーなどで情報収集する

まずは当サイトのように不動産投資に関するwebメディア・本などを読んで知識を身につけるのがよいでしょう。不動産投資家が書いているブログなども大変参考になります。そのほか、不動産業者が開催しているセミナーを聞きに行くのも有効です。

不動産業者のセミナーに参加すると、その後営業される可能性もあるでしょう。しかし、セミナーアンケートなどに営業お断りの旨書いておけば、営業電話などを予防できます。

なお、webメディア・本・セミナーともに、運営者や著者によって得意分野とそうでない分野とがあります。例えば新築ワンルームマンションを得意分野とする不動産業者が開催するセミナーは、同タイプの情報が多いです。

そして、中古マンションを得意としている不動産業者は、中古マンション投資に関する情報を多く発信しています。発信者や著者の得意分野を見極めながら情報収集していくことがポイントです。

(2)多数の物件情報に触れる

不動産投資で成功している人の多くは、日常的に大量の物件情報に触れています。物件情報に多く触れるほど、物件を見極める目が養われると言えるでしょう。物件情報を取得するためには、不動産業者に問い合わせまでする必要はありません。Webで検索できる情報に触れるだけでも十分です。

例えば私がプロデューサーとして務めている「みんかぶ不動産」に多くの物件情報を掲載していますので、ぜひ覗いてみてください。

3、物件選びのポイント

ここからは、投資用物件の選び方や物件選びの際に確認すべきポイントなどについて解説します。

(1)投資目的に沿った物件を選ぶ

物件選びにおいて重要なことは、まず自分自身の投資目的を設定することです。例えば、毎月3万円でいいから老後まで長期的に安定収益を生む投資をするのか、あるいは時間をかけながら規模を拡大して毎月100万円の収益を作るのかなど、不動産投資によって目指すゴールを明確にしましょう。

細く長い収益を目指すのであれば、毎月の利益は少なくても、とにかく入居者が途切れないエリアで投資することが重要です。反対に、規模拡大を目指すなら、ある程度の段階までは物件を売却して入れ替えていくなどの戦略が適しています。この場合は短期間での売却を視野に入れた物件選びが重要です。

目指すゴールと物件選びの基準がない状態で物件情報に触れると、どれもいい物件に見えてしまい、悪質な不動産業者によくない物件をつかまされてしまうことも起こり得ます。

(2)必ずキャッシュフローをシミュレーションする

物件を判断するためには、必ず毎月の最終的な手残り額を確認することが重要です。最終的な手残り額のことを、キャッシュフローといいます。キャッシュフローは、家賃収入から必要経費と税金などをすべて差し引いて計算します。

一方、投資用物件の情報に記載されている利回りは、そのほとんどが表面利回りです。表面利回りとは、家賃の年間合計額を物件価格で割り戻しただけの数値であり、最終的な手残り額を示すものではありません。

利回りについて詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。

実質利回りと表面利回りの違いは?不動産投資の利回りの本質を教える

不動産業者から物件情報をもらったら、必ずキャッシュフローのシミュレーションまでもらうようにしましょう。キャッシュフローを計算したいから情報が欲しいと伝えたときに、必要経費などの情報を提供してくれない不動産業者からは物件購入しないほうが賢明です。

(3)不動産業者の話を鵜呑みにしない

不動産業者の営業マンから情報をもらったら、その情報を検証することが重要です。営業マンは投資物件のメリットを前面に押し出して営業してくるケースもあります。投資家側から見ると、いいところだけをアピールしてくる業者は良くないように思えますが、見方を変えれば営業マンである以上は当然ともいえるでしょう。

物件選びを成功させるためには、あらかじめ勉強したうえで、情報を検証して判断できるようになることがとても重要です。

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まとめ

不動産投資の初心者は、融資を使って破産したり悪質な不動産業者に騙されたりなどの失敗を防ぐために、以下のポイントから準備を始めましょう。

  • 自己資金を用意する
  • 融資について理解する
  • 情報収集して知識を身につける

自己資金を用意して融資について理解することで、自分にとって最適な融資を受けられるようになります。無理な融資を利用しなければ、投資に失敗して破産するなどのリスクは下げられるでしょう。

また、日頃から情報収集して知識を身につけておけば、悪質な業者に騙される失敗を防げます。

カテゴリー: 不動産投資とは
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