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不動産特定共同事業法(略して不特法ともいう)」という、1994年に制定された不動産特定共同事業について定めた法律をご存じでしょうか?この法律は、不動産特定共同事業の適切な運用方法を定め、投資家を保護する目的で定められた法律です、といってもその内容を正確に把握している方はそれほど多くないでしょう。

ここでは、この法律の定める内容やこれまでの改正点のポイントについて解説していきます。ここで解説した内容を、不動産特定共同事業法をより深く理解するためにお役立てください。

1、不動産特定共同事業法とは

不動産特定共同事業法とは、不動産特定事業の正しい発展と促進、それに加えて投資家の保護を目的として19954月から施行された法律のことをいいます。不動産特定共同事業とは、投資家が出資した資金を活用して現物の不動産取引を行い、その収益を投資家に配分する事業のことを言います。

この法律が施行されたことにより、国土交通大臣などの許可を得なければ不動産特定共同事業を行うことができなくなりました

この法律は、2013年と2017年、それに2019年の3回にわたって一部改正されてきました。

不動産特定共同事業法に則って、株式会社インテリックスのアセットシェアリングという商品について、下記の記事より参照にしてみてください。

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2、不動産特定共同事業法が施行されたきっかけは?

不動産特定共同事業法が制定されたその背景には、どのようなものがあったのでしょうか。

この法律が制定される以前には、許可なく不動産特定共同事業、得に不動産小口化商品の販売ができていて、販売数も増えていましたが、1991年にバブルが崩壊し、その影響により経営基盤がぜい弱な企業の倒産が相次ぎ、投資家に出資金が戻らないなどの甚大な被害が出たためです。

不動産特定共同事業法の制定により、国土交通大臣または都道府県知事の許可がないと不動産特定共同事業を行うことができなくなり、国や都道府県に健全な経営ができると認められた事業者しか、不動産特定共同事業を行ってはならないと定められました。

3、不動産特定共同事業の許可を得るときに必要な要件

不動産特定共同事業を行うための許可を得る際に必要な要件には、主に以下のようなものがあります。

(1)資本金について

  • 第一号事業者(投資家と契約結んで不動産投資を行い得られた利益を配分する事業者):100,000,000円
  • 第二号事業者(不動産特定事業を契約の仲介を行ったり代理したりする事業者):10,000,000
  • 第三号事業者(不動産取引業務の受託許可を受けた事業者):50,000,000
  • 第四号事業者(契約の代理/媒介業務の受託許可を受けた事業者):10,000,000

(2)その他の要件とは

不動産特定共同事業を行う許可を得るためには、事業者がこの事業を行うために必要な財産的基礎を有しており、なおかつ適切に事業を遂行できる人的構成があることが求められます。

また事務所ごとに宅地建物取引業者免許を持っていて、以下の要件を満たす業務管理者を配置する必要があります。

  • 不動産特定共同事業において3年以上の実務経験を有するもの
  • 公認不動産コンサルティングマスターの資格を有するもの
  • 不動産証券化協会認定(ARES)マスターの資格を有するもの

それ以外にこの法律で定められた基準を満たした、不動産特定共同事業契約約款を有していることも求められます。

参考:不動産特定共同事業法 | e-Gov法令検索

4、これまでの改正点のポイントとなるのは?

不動産特定共同事業法は、これまでに何度かの改正を経て現在(2021年)に至ります。ここでは、それぞれの改正点のポイントについて解説していきます。

(1)2013年の改正のポイント

2013年の法改正では、特別目的会社(Special Purpose Company)を活用した、倒産隔離型の事業を可能にするため、「特例事業」制度が導入されました。この特例事業が導入されたことにより、例外的に許可を得ることなく、一定事項の届け出を行えば、不動産特定共同事業の運営を行うことが可能になりました。

(2)2017年の改正のポイント

2017年の改正のポイントは、特例事業の制度面の課題解決と規制緩和が大きな目的となっています。以下に3点のポイントを解説していきます。

①小規模特定不動産共同事業を定義した

小規模な地域の不動産業者であっても、不動産特定共同事業への参入が容易になるように、小規模特定不動産共同事業を定義しました。

改正前の第一号事業および第二号事業の資本金の大幅な引き下げを行ったことで、小規模な事業者であっても、不動産特定共同事業容に容易に参入できるようになりました。しかし、事業参への加者から出資してもらうことができる金額の上限は100万円とされ、全出資者の出資額の合計額は1億円を超えないことと制限されています。

②規制緩和

特例投資家(プロ投資家)のみの出資により成立する不動産特定共同事業を行う場合に限り、約款の登録の必要をなくしました。これにより金融機関や不動産業者などの十分な資本力があるかということを判断力する組織・団体が、より柔軟に出資と利益配分に関する契約を作成できるようになりました。

また、適格特例投資家(スーパープロ投資家)が事業参加者である場合、不動産特定共同事業の許可を受けずに届を出すだけで不動産特定共同事業を行うことができるようになりました。

それ以外にも事業参加者の範囲が特定され、低リスクな一部の事業についてはその事業が特例事業として行われる場合に一般投資家の参加も可能になりました。

③電子化への対応

不動産特定共同事業の契約を、電子的に処理して締結することができるようにしました。しかし、この電子取引を行う場合には、あらかじめ申請を行い適切な設備を整備することが必要とされます。

このように取引が電子化されたことにより、不動産特定共同事業に基づいた不動産証券化スキームにも拡張されることとなりました。

(3)2019年の改正のポイント

2019年の改正のポイントは、不動産クラウドファウンディングの活用を目的しているため、それを可能にするための施行規則の改正やガイドラインの策定が行われています。

①施行規則の改正

個人などによる長期的かつ安定的な不動産クラウドファンディングへの参加を促進するために、施行規制の改正が行われました。

具体的には、約款の内容の基準や書面に記載しなければならない事柄の改正等が行われています。また、この事業の対象となる不動産変更型契約に対する規制の合理化も行われました。

②電子取引業務に関するガイドライン策定

不動産クラウドファウンディングを行おうとする事業者等が、投資家を保護するために備えておく必要がある業務体制や情報開示項目、プロジェクトの審査体制などを明確にしました。

③新設または設立3年以内の若い法人が不動産特定共同事業へ参入する際の要件の見直し

この見直しで、クラウドファンディングを行う場合に限り不動産特定共同事業の許可を得られることが明確化されました。そのため、設立3年以内の若い法人の不動産特定共同事業への参入が可能になりました。

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小嶋 啓一(こじま けいいち)

■ 所属会社
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自らが日本と米国で不動産を主体とした資産形成を個人・法人で行い、その経験を通じてお客様にベストな選択肢を提供します。

関野 大介(せきの だいすけ)

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まとめ

ここまで、不動産特定共同事業法の概要や、不動産特定共同事業法が制定された理由、過去の改正点のポイントについて解説してきました。

不動産特定共同事業法は日本という国が推進している不動産特定共同事業に出資する投資家を保護することと、不動産特定共同事業自体の発展を推進することを目的とした法律であることがお分かりいただけたと思います。

また、インターネット上のクラウドファンディングなどによる新しいシステムの不動産特定共同事業など、時代や技術の変化に対応して改正が行われてきたことも解説してきました。

この記事で解説した内容を活用していただくことで、読者の皆様の不動産特定共同事業法への理解を深めるためのお役に立てていただければ幸いです。