一棟物件投資と比較して、ワンルームマンション投資は価格が安くなる上に、「売却益」「生命保険」「節税」など、様々なメリットも狙えることによって、始めやすいと言われています。
また、日に日に融資の審査が厳しくなる一棟物件と反対に、ワンルームマンション投資の融資は依然と安定しており、低金利かつフルローンと有利な条件で利用することができることから、ますます人気を集めています。
山手線では50年ぶりに、田町駅と品川駅の間に新駅が建設されていることをご存知な方も多いでしょう。
1970年代後半から、ワンルームマンションが投資商品として個人投資家向けに一部屋1,000万円くらいで販売され始めました。
田町駅周辺では、1980年代に売りに出された2LDKの間取りで2,500万円の物件は、現在再開発事業と中古市場拡大の影響で、4,000万円とかなり値上がりしました。
つまり、ワンルームマンション投資もきちんと購入と売却タイミングを見極めることができれば、十分売却益も狙うことができると言えるでしょう。
とは言え、価格が安いから、融資を利用できるからと言って、軽い気持ちでワンルームマンション投資を始めると失敗してしまいますので、メリットだけではなく、しっかりとデメリットも理解することが大切です。
そこで今回は、ワンルームマンション投資で失敗しないためおさえておくべきポイントを紹介していきますので、ぜひ最後までに読んでみて下さい。
目次
1、ワンルームマンション投資とは?ワンルームマンション投資の仕組み
(1)そもそもワンルームマンション投資とは?
ワンルームマンション投資とは、マンションの1室を購入して、それを賃貸に出すことによって家賃収入を得る投資手法です。
(2)ワンルームマンション投資は大きく2種類ある
ワンルームマンション投資には、大きく新築と中古と2種類あります。
- 新築ワンルームマンション投資
- 中古ワンルームマンション投資
それぞれにメリットとデメリットについて見てみましょう。
2、新築ワンルームマンション投資のメリット・デメリット
まずは、新築ワンルーム投資についてみてみましょう。
(1)新築ワンルームマンション投資のメリット
都内駅近、新築マンション!!というと入居付けがかなり有利な投資物件です。
近年どんどん取りづらくなった礼金、新築物件なら敷金のみならず礼金も2か月分を取れたりするケースも多く見受けます。
またすべての設備が新しいため、最初の10年くらいは修繕費用などもほとんどかかりません。
それから、減価償却費用も新築の方が最も取れますので、節税効果を得やすいという特徴もあります。
(2)新築ワンルームマンション投資のデメリット(リスク)
新築プレミアムは新築の時だけ高くつきます。
一度でも入退去が起きると、新築プレミアムは失われ家賃が下落する可能性が高いです。
また、中古物件に比べて購入金額が1割~2割と割高な場合もあります。
しかし、新築物件は利用できる金融機関の選択肢が多く、金利も1%〜借りられる場合が多いです。
中古物件よりは節税効果も高いため、家賃下落を見込んでも節税効果と修繕のリスクを織り込んで総合的な判断が必要です。
新築マンション投資について、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
3、中古ワンルームマンション投資のメリット・デメリット
続いて、中古ワンルームマンション投資について見てみましょう。
(1)中古ワンルームマンション投資のメリット
中古物件の最も大きなメリットは、新築ワンルームマンションより安く購入することが可能ということです。
また、中古の場合家賃が落ち着いていますので、収支シミュレーションが立てやすいのもメリットとして挙げられます。
物件価格も落ちにくいことから、「購入金額=将来の売却金額」になることも十分に考えられます。
(2)中古ワンルームマンション投資のデメリット(リスク)
各金融機関のよって、ローン年数について【〇〇年―築年数】とうような規定が設けられ、不動産取得のためには自己資金の拠出割合が高まります。
また大規模修繕の計画はマンション管理組合が行います。
計画がずさんなマンションを購入してしまうと、100万円単位の修繕費用を追加で支払う必要が出てくる場合もあります。
中古区分マンションの購入の際には、マンション管理組合が作成する管理報告書を確認し、修繕計画や修繕金の滞納の有無や修繕履歴を確認することで思わぬリスクを避けることができます。
コロナでは中古マンション市場にどのような影響を与えたのかについて、詳しく下記の記事をお読みください。
また、新築がいいのか、中古がいいのかを比較したい方は、下記の記事をぜひ合せてお読みください。
4、ワンルームマンション投資の利回りはいくつ?
物件価格が高騰している中で、ワンルームマンションの利回りはいくつでしょうか?
直近、新築物件の場合、表面利回り「3%」後半が一番よく目にします。
築10年くらいで、築浅と呼ばれている物件の場合は、「4%後半」が1つの目安になるでしょう。
一方、築30年くらいで、築古と言われている物件は、価格は安くなるですが、家賃はさほど落ちないので、「6%~7%」くらいの物件が多いです。
利回りの計算方法については下記の記事を参照にしてみてください。
なお、このように相場利回りはありますが、実際に不動産投資をする際の最低利回りはいくつでしょうか。低いからダメなのか、最低利回りの考え方について知りたい方は、下記動画をご覧ください。
5、ワンルームマンション投資に適している方とは?
では、ワンルームマンション投資にはどのような方が適しているのでしょうか?
以下にて4つのポイントを挙げてみましたので、参考にしてみて下さい。
(1)若い世代の方
一棟投資物件を販売している私からみるワンルームマンション投資に適している方は、若い世代の方が最も利益を享受しやいではないかと思います。
なぜならば、融資を活用することによって、自己資金が少なくてもスタートするこができ、また、ローン年数も最長年数で組むことができるからです。
(2)生命保険の代わりを考えている方
不動産投資で融資を利用される場合、団体信用生命保険に加入することができます。
最近では、団体信用生命保険の内容がかなり充実していて、10大疾病、がん保険、女性特有の保険などローン年数が短くても生命保険という観点では、メリットがあると言えます。
団体信用生命保険の仕組みについて、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
(3)リスクの観点で安定した利回りを得たい方
今の日本は銀行にお金を預けてもお金は増えません。
とは言え、金融商品は動きが早いため、リスクが高くなかなか始めにくい方も多いでしょう。
そのような方々には、少ない自己資金から始めることができ、また、リスクを事前に把握することによって、最小限におさえつつも、きちんと5%前後利回りを得ることができるワンルームマンション投資が適していると言えるでしょう。
融資を活用できるのはメリットではありますが、借金になるので怖いと思われている方も少なくないでしょう。借金に対する考え方について、下記記事を合せてお読みください。
動画にも分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
(4)インフレ対策として検討されている方
これから円安になることを予想されます。インフレ対策として、不動産は適していると言われています。
「インフレ=現金の価値の下落」ですので、現金でなく不動産などの実物を持つことで「物価上昇=自身の資産価値の上昇」という構図を作ることができます。
6、ワンルームマンション投資は節税効果あり?
ワンルームマンション投資は、節税効果があるというお話を聞いたことがある方も多いと思いますが、実際はどうでしょうか?
物件の購入価格、築年数など物件自体の条件によって効果が異なりますが、以下3つの税金は安くすることができると思っています。
- 所得税
- 贈与税
- 相続税
しかし、ワンルームマンションを購入したものの、節税ができず失敗してしまったケースもあります。
つまり、ご自身の属性に合わせてきちんと物件を見極めることが大切です。
7、どんな物件を購入すべき?優良物件を選ぶ時の5つのポイント
ワンルームマンション投資は、毎月大きな利益を得ることはなかなか難しいです。
しかし、「5、ワンルームマンション投資に適している方とは?」で紹介した投資目的とした方々には適している商品と言えます。
日頃からたくさんの物件情報を見ている私は、ワンルームマンション投資のリスクを回避できる、以下5つのポイントを基準に物件選びをしています。
(1)立地が最重要!!退去がでても1か月で次の入居者が決まる物件であること
ワンルームマンション投資は、毎月のキャッシュフローは大きくないので、退去が長引くとそのままオーナーの負担が大きくなります。
つまり、空室期間を最短に、1か月以内に入居付けできる立地を選ぶことが何より大切です。
(2)礼金は取れる物件なのか?
人気物件は敷金礼金を払ってでも住みたいと思ってくれる入居者が多くいます。
1か月の空室も礼金で賄うことができる物件であれば、オーナー負担は最小限におさえることができます。
(3)10年後もきちんと家賃を取れるのか?
周辺にある購入を検討している物件と条件が似た物件を探して、購入検討している物件の築年数より10年も古い物件の家賃を調べましょう。
例えば、購入を検討している25㎡の1Kの物件の築年数が5年の場合、周辺エリアで25㎡の築15年の1Kの物件の家賃相場を調べましょう。多少物件の条件が前後してもいいでしょう。
似た物件を調べることによって、毎月の収支と、将来の売却を想定する際の目安となります。
(4)修繕履歴と修繕積立金を確認する
最近の高級タワーマンションを販売するとき、修繕積立金を低めに提示しているという記事を目にしました。
通常のマンションよりも、修繕積立金が何倍にもなってしまい買い手がつきにくいからだそうです。
外壁塗装時、足場台がとても高くなったり、エレベーターも1台とは限りません。
プールもジムの設備も、ある程度の年数がきたら交換が必要でしょう。
購入当初は修繕積立金が安くても、途中で金額を上げられることがあります。
購入する物件の修繕計画が、設備に見合っているのかをしっかりと確認しましょう。
また、修繕積立金が高くなると、毎月の収支に大きく影響します。
従って、他の経費を差し引いても、家賃でまかなえるかどうかもきちんとシミュレーションすることが大切です。
(5)駅の発展性を確認する
購入を予定している物件の周辺で、再開発が行われるような予定があるかどうかは必ずチェッするポイントです。
駅周辺にショッピングセンターができたり、大きな病院などができることによって、生活の便利性をもとめて引っ越してくる人が増え、賃貸に対する需要が高くなると同時に、地価の上昇も見込めるでしょう。
空室になりにくい物件の選び方について、詳しく下記の動画にて解説しています。ぜひ合せてチェックしてみてください。
8、投資ワンルームマンションを購入する時の流れ
実際に投資ワンルームマンションを購入するときは、大きく下記の流れになります。
- 不動産投資メディアなどを通じてワンルームマンション投資の基礎知識をつける
- ワンルームマンション投資会社のセミナーに参加する
- 担当者と投資目標・予算を決める
- 実際に物件を紹介してもらう
- 気に入った物件があったら購入手続きに進める
- 融資の審査をする
- 決済して物件を引き受ける
- 管理会社と打合せをし、物件の管理を決める
物件購入の流れについて下記動画にも分かりやすく解説しています。ぜひご覧ください。
なお、不動産投資は物件を購入してやっとスタートラインに立ちます。その後の管理が非常に重要となりますので、管理方法などについて詳しくしは下記記事を参照にしてみてください。
9、ワンルームマンション投資の5つの失敗例
自分が失敗しないようにするためには、事前に失敗談を知っておくことが大切です。
最後に実際に私が受けた失敗談を5つ紹介しますので、参考にしてみて下さい。
(1)家賃が下がってしまい、マイナス収支が大きくなってしまった
新築物件を購入した方からの相談です。
最初は新築プレミアムがついていて、高く家賃を取ることができましたが、一番最初の賃借人が退去したタイミングで中古物件となり、相場家賃に合わせる必要があるため、家賃が下がってしまい、予定よりマイナス収支が大きくなってしまったケースです。
これは普通賃貸でもサブリースでも起こり得る失敗例です。
購入物件が新築の場合、築10年~15年くらいで似た物件の家賃相場を確認しましょう。
(2)固定資産税、不動産取得税の説明を受けておらず、想定外の出費が発生
不動産を所有すると当たり前の支出ですが、固定資産税や不動産取得税は物件を購入してから発生する税金であるため、業者側が説明を簡素にしてしまうケースがあります。
税金については、ご自身でしっかりと把握しましょう。
(3)空室が長引いてしまった
「駅徒歩6分」なら賃貸付けは簡単だろうということで、大田区の物件を購入した方の失敗例です。
インバウンド需要から、羽田空港に近い大田区はこれから伸びますと説明を受け購入したのはいいものの、新築時の入居者が退去した後、6か月間も空室が続き、大赤字でした。
これからの需要よりも、現在の需要があるのかどうかを見極めが少し足りなかったのが原因と言えるでしょう。
(4)追加の修繕費用が発生による想定外の出費が発生
マンション管理組合が立てた大規模修繕計画に落とし穴があった失敗例です。
管理組合が立てた修繕計画に沿って修繕積立金が決定されるのですが、2つの潜在的な問題があったのです。
1つ目は、修繕計画そのものが甘く、大規模修繕時1部屋あたり100万円規模の追加費用負担を求められました。
2つ目は、修繕積立金に滞納があり、計画通りの修繕が行われなかったようです。
物件の修繕計画や実施履歴、修繕積立金に滞納があるかどうかについて、管理会社に「重要事項説明書」を請求することができますので、きちんと請求して確認するようにしましょう。
上記のように自己資金がない方は、不動産投資で失敗するリスクが高くなります。不動産投資における自己資金の考え方について、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。
(5)物件がなかなか売れない
不動産は流通性が高くない投資商品です。
順調にいっても大体3ヶ月前後かかると言われています。
資産の組み換えで、築5年の物件を売却に出しましたが、駅から徒歩15分で、新築時はすぐに入居者がついたから、購入を決めたのですが、たった5年で売却する時でもなかなか買い手がつかず、結局、売却価格も下げて売却するには半年もかかりました。
不動産投資は長期に渡り資産形成していく商品とはいえ、途中で売却することも考えられます。
つまり、売れる物件であることが大切です。
購入する前に立地、間取り、賃貸の需要などもきちんと調べるようにしましょう。
物件の売却方法について、詳しくは下記の記事を参照にしてみてください。