「不動産投資して、自己破産に追い込まれた!」
「物件買ったはいいものの、ずっと空室が埋まらず、叩き売りして大損した!」
「投資目的で始めたのに、毎月赤字になってしまい、全く資産が増えない!」
など、不動産投資で失敗したという情報は、インターネット上で見たことがある方も多いのではないでしょうか。
正直、投資である以上リスクはつきもので、失敗する可能性はゼロではありません。
しかし、成功する方もたくさんいらっしゃいます。
なぜ成功できたかというか、成功者はみんなきちんとリスクを把握して、リスクヘッジする回避策をきちんと立てているからです。
また、投資で成功する方の共通点としては、「無理せず、自分に合った投資プラン」も挙げられます。
そこで今回は、実際に不動産投資で失敗された方の実例を踏まえた上で、不動産投資の初心者でも失敗するリスクを最小限におさえられるコツを伝えていきますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1、知っておきたい!不動産投資で失敗した4つの失敗例
最初に、実際に私が対応や相談で受けた4つの失敗例についてご紹介します。
- 不動産に対する知識が足りない
- サブリースでの保障という大きな罠
- 断ることができず、融資枠が枠いっぱいになり身動きができなくなった
- 物件の価値を判断することができなかった
同じような失敗を繰り返さないよう、参考にしてみてください。
2、プロ(エージェント)のアドバイスを無視して失敗した実例
この方は私が不動産会社にいた時のお客様です。
プロ(エージェント)のアドバイスを無視して失敗したI様の実例です。
(1)I様の属性
- ご年齢:26歳 男性
- ご年収:700万円
- 業種:総合商社
- 未婚
(2)担当者のアドバイスを無視し、自分の思い込みで物件購入
I様はポータルサイトで品川にあるタワーマンションの物件を気に入って、購入したいということで来店されました。
①I様が購入したい物件
M様が購入したい物件は、以下のスペックになります。
- 価格:4,800万円
- 中古
- 間取り:1LDK
- 家賃相場(同時):21万円
②私がオススメした物件
投資という観点では、I様が気に入った物件よりも以下のスペックの物件をオススメしました。
- 価格:5,800万円
- 中古
- 間取り:2LDK
- 家賃相場(同時):24万円
③オススメした理由
品川というエリアは単身者よりもディンクスやファミリー層が人気なエリアで、つまり、1LDKの物件の客付はなかなかシビアなエリアです。
従って、賃貸にて安定した家賃収入を得るには、ディンクスやファミリー層に人気がある2LDKの物件をオススメしました。
しかし、I様は「高い物件を売りつけたいだろ!」ということで、1LDKの物件を購入されました。
(3)I様には家賃収入でかなりの損失をした
結果、品川エリアの1LDKの客付が難しいため賃料相場が全体的に下落し、2LDK以上の物件については、人気が衰えない状況にあり賃料上昇傾向にあります。
- 1LDKの物件の賃料当時「21万円」想定 ⇛ 現在「17.5万円」
- 2LDKの物件の賃料当時「24万円」想定 ⇛ 現在「26.5万円」
月間の賃料差は「9万円」で、年間で「108万円」賃貸収入の差が生まれしまい、I様はかなりの家賃収入を損失したことが分かります。
(4)担当者からの一言
不動産投資は長期に渡って、資産形成していく投資商品です。
目前の利益だけではなく、5年後、10年後の収益もきちんと考えていかないといけないのです。
お客様の投資目的や考え方はきちんとあっていいと思いますが、我々のプロの意見や知識も参考にしながら、確実な投資プランを描くことが絶対に損をしない投資の仕方といえるでしょう。
3、空き家有効活用で、サブリースでの保障という大きな罠にかかって失敗した実例
Y様とは出会いは、友人の紹介でY様が所有している2つ目の空き家活用の相談で出会いました。
実はY様は1つ目の空き家活用で、きちんとサブリース保障について理解しておらず大きな罠にかかり失敗しておりました。
その1つ目の空き家活用で失敗した実例のお話をさせて頂きます。
(1)Y様の属性
- ご年齢:35歳 男性
- ご年収:1,200万円
- 業種:広告代理店役員
- 既婚
(2)サブリースの仕組みをよく理解せずに鵜呑みにしていた
Y様は、お父様が所有している戸建てが空き家となっていたので、その戸建てを解体して、マンションもしくはアパートにして、土地の有効活用の提案を受けていました。
①安定した家賃保証と共に、メンテナンス費用もなし
Y様は、某ハウスメーカーから30年のサブリースとして、毎月の家賃「22万円」、その他物件を所有していく中でかかるメンテナンスや管理費、リーシングについては全てそのハウスメーカーが面倒を見るという、オーナーは何もせずに毎月安定した収入が入りますよという提案でした。
収支シミュレーションをしたところ、融資の返済をしてもちゃんとキャッシュが手元に残ることができ、大変魅力的な提案にすぐ契約をしました。
②30年家賃保証でも、同じ賃料ではないという落とし穴
契約を締結してわずか3ヶ月後に、賃貸の客付の状況によって保証金額について協議させて欲しいという話がハウスメーカーからされ、22万円から「18万円」に減額されました。
既に建設費等をローンで借りてしまっていたため、仕方なくそのまま竣工させました。
結果、月4万円も収入が減り、年間48万円の収入損になりました。
また、実際に18万円の収入は返済にギリギリの金額で、キャッシュが残るどころか、返済がかなり苦しい状況に陥っていました。
(3)担当者からの一言
サブリースは一見魅力的な内容に見えますが、実はオーナーが損をする仕組みになっています。
そもそも、サブリースの賃料は相場賃料の7〜8割がほとんどです。
例えば、サブリースで20万円保証するという金額を提案されたら、相場賃料は大体25〜28万円になります。
つまり、年間で100万円近くの損出がでます。
また、サブリースの賃料は3ヶ月、2年など期間を設けて、市場の動きなどによって保証賃料の調整があることを契約書に記載されています。
しかし、多くのオーナーは30年リースなどの言葉に鵜呑みにして、気が付かない方がほとんどです。
私はサブリースというシステムを批評しているわけではなく、ただ、自分には適しているかどうかを見極めてほしいです。
甘い言葉を簡単に信用することは自分の首を絞めるという大きな過ちにつながりますので、よく調べ、相談することが不動産投資、有効活用することを成功に導くと考えます。
☆サブリースに適している方☆
サブリースは、空室リスクをゼロに、少し相場賃料より安くていいので、毎月安定した家賃収入を得られたい人には適しているシステムです。
☆サブリースに適していない方☆
上記に該当していない方は、適していないと言えるでしょう。
4、断ることができず、融資枠が枠いっぱいになり身動きができなくなった
M様も友人の紹介で、相談を受けました。
M様は収入が高かったため、今の属性で融資を活用して新築区分マンションを始めたのですが、次から次へと物件を売られて、気づいたら融資枠がいっぱいになり、身動きができない状況に追い込まれました。
(1)M様の属性
- ご年齢:32歳 女性
- ご年収:1,200万円
- 業種:外資金融
- 未婚
(2)年収が高いから融資を活用した方がいいという甘い言葉に乗ってしまう
M様はマンション投資に興味があったので、自分から積極的にセミナーなどに参加して、購入の検討をしていました。
①一気に融資枠がいっぱいになった
M様はご年収が高いことから、1物件目はかなり有利な融資条件で融資を受けることができました。
フルローンの新築物件であったため、月々少し手出しすることがありましたが、節税に繋がるので、満足していました。
1物件目を購入してわずか3ヶ月後に、更に新しい物件を2物件紹介されました。
1物件目ほど金利などの条件は良くなかったのですが、
「M様の属性だから、一気に3物件も融資が受けられる」
「今のタイミングだからできるから、ここを逃したら次の融資が難しくなる」
などと言われ、断ることができず一気に3物件を購入してしまい、融資枠いっぱいになりました。
②売るにも売れない!出口がない
物件を購入したのはいいですが、実はどの物件も毎月手出しすることになり、投資という観点では、赤字ではなく、せめてとんとんにしたいという投資目的に達成できないため、物件を売却して手放したいと検討したのですが、新築時より物件価格が下がり、また所有期間が短いため、ほとんど返済が減っていないことから、売却すると更に数百万の赤字が出てしまうので、このまま所有するしかない結果になりました。
(3)担当者からの一言
M様には悪いですが、正直今回のケースに関しては、全て不動産会社が悪いというわけではないと私は感じています。
確かに今回M様を担当された方は、M様の投資目的に合った提案ではなく、自分の営業数字を達成できるよう、どんどん物件の購入をススメたのですが、とは言え、収支シミュレーションを提出していないわけではないので、きちんと自分でジャッジすることができず、言われたままに契約をされたことにも問題があると言えるのではないでしょうか。
不動産投資は融資など、様々な知識が必要な投資商品で、初心者の方が正しくジャッジすることができない部分もただあると思います。
だからこそ、きちんと自分のために、自分の投資目的、属性に合った提案をしてくれる担当者(エージェント)を見つけることが非常に大切と言えます。
5、物件の価値を判断することができなかった
S様は、物件の売却依頼で私のところに来ました。
S様はインカムゲインと同時に、キャピタルゲインも狙いたいという目的で、高級住宅地にあるファミリータイプ物件を購入することを決めました。
当時、所有している物件と、近くに新築で販売された物件と迷われていたのですが、当時の担当者のアドバイスのままに、今の物件を購入したのですが、キャピタルゲインを狙うことができず、購入価格よりも少し損した形で手放すことになりました。
(1)S様の属性
- ご年齢:28歳 男性
- ご年収:850万円
- 業種:広告代理店
- 未婚
(2)担当者のアドバイスのままに、物件の上昇価値を見極めなかった
S様はインカムゲインと同時に、キャピタルゲインも狙いたいという目的で、その高級住宅地のエリアにある不動産会社に問い合わせをしました。
①業界の知識が足りなかった
S様は投資目的を明確したものの、物件の条件は一切決めていなかったです。
担当者から以下のスペックの物件を紹介され、ほとんど物件の比較もせず購入することを決めました。
- 築年数:8年
- 広さ:60平米
- 物件価格:7,000万円
しかし、契約締結して2週間後、同じエリアに別の新築物件が売りに出されていて、その物件は大手デベロッパーが手掛ける有名ブランドマンションでした。
同じ広さの間取りはなかったのですが、75平米で8,200万円の物件がありました。
担当者と相談したところ、すでに契約締結していることもあり、中古でも人気なエリアであるため、将来的に値上がりすることが期待できるというアドバイスに尊重しそのままローンを組み購入することにしました。
②上昇どころか、売却損が出てしまった
実際に、その物件を5年所有して、私経由で物件を売却したのですが、上昇どころか、500万円の売却損が出てしまいました。
一方、当時購入比較をしていた新築のブランドマンションは、当時よりも800万円も値上がりしていました。
所有物件の500万円と合計したら、S様は「1,300万円」の損失になったと言えるでしょう。
(3)担当者からの一言
ブランドマンションが何故ブランドと言われるのか、やはり開発されるデベロッパーには力があると言えます。
つまり、有名なデベロッパーが開発した高級ブランド物件は、中古でも値崩れしない、もしくはプレミアがついて高く売られていることも少なくないかと思います。
上記の知識が、S様が知っていれば回避できた失敗と言えるでしょう。
情報収集は不動産投資においていかに大切であること分かって頂けたのではないかと思います。
また、もう1つ言えるのは、新築物件は中古物件と異なって、基本デベロッパーから直接に販売されるため、仲介業者は販売することができません。
つまり、当時の担当者は仲介手数料を稼ぐにもオススメしなかったとも言えます。
6、4つの失敗例から学ぶ成功する4つのコツ
(1)プロの情報、不動産の相場、知識をフルに活用し、無責任な周囲の人間の意見を間に受けないこと
不動産投資には情報収集が非常に重要です。
面倒がらずに様々な物件情報を見たり、営業マンと話しするのもいいと思います。
そのようにしていく中で、どんどん情報が集まってくるので、最後は自分で判断することを養っていきましょう。
(2)たくさんの利益を得るためには多少の苦労は仕方がない
「面倒だから細かい作業は全部担当者に任せて、利益が入ればいい」
と楽にしたい人はいるでしょうが、それは最初からすることではなく、きちんと信頼できるエージェントを見つけてからにするようにしてください。
最初の数ヶ月だけでいいので、きちんと不動産投資の仕組みを理解すれば、成功を掴める可能性はグンと高くなります。
(3)優秀なエージェントを探す
優秀な営業マンは目先の利益ではなく、お客様のステータスを考えて提案します。
不動産投資は一軒買っておしまいではなく、一度成功したら、同じ営業マンにお願いしたくはありませんか?
だから、優秀なエージェントは目先の利益ではなく、お客様のステータスを考えて提案してくれます。
ぜひ、いろんなエージェントと会って、話してみて、自分の仲間となる優秀なエージェントを見つけて下さい。
(4)「大胆かつ繊細に」を心がける
不動産はコンビニで買い物をするほど簡単なものではないですが、「買うときの決心」がないと不動産投資はできません。
ただ、情報については細かく繊細にならないと失敗をします。
- 値崩れしづらいエリア
- 新築相場
- 中古での値上率
- 賃貸相場
- 周辺環境とのシナジー
などなど。
投資に適している物件であるかどうかを見極めるポイントをきちんと探すようにしましょう。